堀川高校探求科の入試問題
思歩です。
京都府公立高校の前期の試験が終わりましたね。受験された方、お疲れさまでした。
昨年度から特別クラスを開講し、堀川高校に合格した新高1生がたくさん来てくれていますので、今年は私も入試問題を解いてみました。
といっても、京都新聞に載っていた1問だけですが…
せっかくなので、考え方も入れながら解答を紹介してみようと思います。
問題はこれです。
細かくて見えにくいかもしれませんね。見えにくかったら、京都新聞のホームページで確認してみてください。
(1) さいころを振って四角形を変化させると、四角形の面積は必ず1以上大きくなります。最初の状態から1の目ばかり出ていれば面積が1ずつ大きくなるので、これが1番面積が大きくなりにくい目の出方だといえます。
そのため、S(a, b, c) の最小値は S(1, 1, 1)=4 です。
(2) 1や3の目が出るよりは、5の目が出た方が四角形の面積が大きくなるので、S(a, b, c) の最大値を考えるときに1や3の目が出た場合のことは考える必要がありません。偶数の目については、どれが出ても同じなので、いったん4と6が出る場合はおいておきましょう。そうすると、2と5の目だけが出る場合について考えればよいことになります。
それから、3回分の出る目が決まっていたら、その順番が変わっても最後の四角形の面積は変わりません。たとえば、最初の状態から2が出た後に5が出ても、5が出た後に2が出ても、高さが2で横の辺が6の四角形になることは変わらないことが確認できます。
ここまで考えれば、S(2, 2, 2), S(2, 2, 5), S(2, 5, 5), S(5, 5, 5)のどれかが S(a, b, c) の最大値になることがわかります。それぞれ計算すると、
S(2, 2, 2)=(2×2×2)×1=8
S(2, 2, 5)=(2×2)×(1+5)=24
S(2, 5, 5)=2×(1+5+5)=22
S(5, 5, 5)=1×(1+5+5+5)=16
なので、最大値は24です。
また、S(2, 2, 5) だけが最大値をとることから、S(a, b, c) が最大になるのは「偶数の目が2回と5の目が1回出る場合」であることがわかります。そのような目の出方は、5が何回目に出るかで3通り、そのそれぞれについて偶数が出る2回に2, 4, 6のどれが出るかで3×3通りあるので、全部で 3×3×3＝27通りです。
(3) (2)から、偶数の目が3回または0回のときには S(a, b, c)≧20とならないことがわかります。偶数の目が2回または1回の場合は、5の目が一度出る代わりに３の目が出ると S(a, b, c) が少し小さくなります。それぞれ、どうなるか確認してみましょう。
S(2, 2, 3)=(2×2)×(1+3)=16
S(2, 5, 3)=2×(1+5+3)=18
どちらも20以上にはならないので、結局 S(a, b, c)≧20 となるのは、「偶数の目が2回と5の目が1回出る場合(①)」と「偶数の目が1回と5の目が2回でる場合(②)」に限られることがわかりました。(2)で①は27通りあることをすでに求めています。②は、偶数の目が何回目に出るかで3通り、それぞれについて2, 4, 6のどれが出るかで3通りなので、全部で 3×3=9通りです。
目の出方は全部で 6×6×6 通りなので、求める確率は (27+9)/6×6×6=1/6 となります。
解答は以上です。
他の問題を見ていないので何とも言えませんが、限られた時間で解こうとすると焦りそうだなぁと思いました。
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