理系受験では理科のできが合否を決める

昨日、特別クラスをレギュラークラスにする計画があることを書きました。実現したとしても2022年以降ですが。

ところで、特別クラスとは何か、新しい読者の中にはまだご存じない方がおられると思うので、これから何回かにわたって説明しようと思います。

 

まず、理系受験において、どの教科が合否に最も影響を与えるかご存じですか?

 

それは理科です。

 

たとえば京大の工学部の二次試験の合格最低ラインは約5割です。数学、理科が250点ずつで英語が200点、国語が100点の計800点中400点ぐらいは最低取らなければならないということです。

ところが、浪人して京大工学部を受験する場合、ほとんどの受験生が理科で7割以上の得点をします。理科はかけた時間に比例して点数が取れるようになっているのです。そうすると5割の最低ラインに対して2割、すなわち50点のプラスをすることになります。こうなるとよほどのことがない限り落ちません。

この状況を現役のときに作りたいのです。

そのためにどうすればよいのか?

 

昔、私が勤めていた塾では茨木高校の生徒を主に集めていました。茨木高校は大阪のその地区におけるトップ校でしたが、高1で数ⅠAを学び、高2で数ⅡB、数Ⅲは高3になってから学びます。数Ⅲが終わるのは高3の秋が深まったころです。数Ⅲは覚えることが多く、演習にも相当の時間が取られるのに、これを高3になってから学ぶのです。到底理科中心の受験勉強はできません。必然的に命懸けの受験勉強になります。結果として茨木高校から京大の工学部に現役合格する生徒は、理科で5割とちょっとの得点をするというケースが多かったのです。

北野や堀川では高3の夏休みが始まる直前ぐらいに数Ⅲが終わります。やっぱり夏休みの大部分は数学の演習に費やすことになります。茨木高校よりましというだけで、命懸けの受験勉強になります。

まちろん、同じ学校のまわりのみんなも同じ境遇で頑張っているので、それが不利だとは気付いていません。

ですが、実際にはすごく不利です。

高1が終了する段階で数Ⅲまでが終わっていて、高2の1年間をかけて標準的入試問題が解けるようにトレーニングした生徒は高3になってからは理科中心の受験勉強をするのです。そうすれば理科で7割以上の得点ができるようになり、それと比べると高3になってからまだ数Ⅲを学ばないといけないのはすごく不利だと言っているのです。なかなか理科にそれだけの時間をかけられませんから。

 

結局、高1終了時に数Ⅲまでやってしまうのが必勝の作戦です。これが特別クラスです。