オンライン講座の可能性

来年度から数ⅡBに新しい単元として「統計」が入ってきます。

これを授業するために

  1. 「稲荷の独習数学」にあたる説明書
  2. テキストの問題
  3. 小テスト
  4. 演習問題

を作る必要があります。

このうちの1. 2. は既に松谷君が作りました。

私サイドの仕事としては、これを下に自ら勉強し、原稿をチェックするということです。

しかし、1. だけで44ページあるので、気合が要ります。できれば後回しにしたかったのですが、これを組み込んだテキストを早急に準備する必要があったので、とりあえず、1. での勉強とチェックをしました。

5日かかりました。

このチェックを土台に原稿を直さなといけないので、まだ大分時間がかかります。

まあでも、少しずつ作業が進んでいるという充実感もあります。

 

今年度から数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲのオンライン講座を始め、来年度から演習クラスの講座も開講します。

そのために手書きだった演習問題をTEXで打ったり、口頭で伝えていた説明の多くも文書化しました。この作業が膨大で、昨年からもう1年半以上も追われ続けてきましたが、大まかなところは出来上がり、あとは微調整の段階に入りました。

だから今回、「統計」に手を出すことができたのです …

 

オンライン講座の話題が出たので、少し説明しておきます。

数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲについては22回の講座で完結するようになっています。もし、1講座について1週間ずつで学んでいけば半年で数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲのそれぞれが学べます。

これが標準的なスピードです。

しかし、たとえば既習の範囲を復習するために1週間に2講座ずつ進もうとすれば、それも可能です。もちろん、もっと速く進むこともできます。

灘の数学研究会に所属していたケンシロウは1週間に3講座のスピードで進み、中1の後半の半年で数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲのすべてを学びました。

ただ、半年で数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲのそれぞれを学ぶというスピードは、高校生にとっては当然であっても、中2生にとってはかなり厳しいです。

稲荷塾において、数ⅠAから数ⅡBに進む基準として「単元テストの平均点が50点以上」というものがありますが、これは河合塾の全統高1模試で偏差値70に相当します。中2生で、半年でこの基準をクリアする生徒は非常に稀です。

ではどうするのか言えば、数ⅠAの講座を2回受講します。すると、結果として1年かけて数ⅠAを学ぶことになりますが、以前に1年かけて数ⅠAの授業をしていたときに比べて、圧倒的に高い確率で「単元テストの平均点が50点以上」の基準を越えるようになりました。

ゆっくり学ぶのではなく、ペースを緩めず2回学ぶのです。これが非常に効果的です。

 

稲荷塾のオンライン講座は稲荷塾のシステムをできる限り忠実に再現するという目標で作りましたが、学ぶスピードについての自由度は塾に通うより高いと言えます。

来年度から始める演習の講座においてもそのことが重要なポイントになると感じています。

一応、推奨される進度は高1終了時に数Ⅲまでを終えて、高2で演習1、高3で演習2と演習数Ⅲを学ぶというものですが、たとえば高3になってから受講を開始する生徒もいるでしょう。その場合、入試で問われる知識と技術が完成していない段階で演習2に入ることになり、場合によっては空回りしてしまう可能性もあります。そういうときには1年で演習1と演習2の両方が終わるように計画を立てればよいのです。

その他、数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲの各講座を3週間ぐらいでやってしまってなどという離れ業も考えられ、方法は無限にあると言えます。

 

来年度が待ち遠しいですねぇ!