小林健二九段の思い出

藤井君と闘った小林健二さん(九段)が終盤の入り口、しかもまだ難しい局面で投了したことが話題になっています。

相手のオーラに威圧されたんでしょうねぇ …

 

しかし、小林さんが弱いということではありません。

小林さんが四段になって間もない頃、倍層で一晩教わったことがありました。

倍層と言うのは、基本的に2対1の実力差の手合いです。

このときは私が負けたら50円払い、小林さんが負けたら100円払うという取り決めでした。

 

はたして、

 

どうなったでしょう?

 

私は負け続け、結局3000円払いました。

つまり60局、1回も勝てなかったのです。

どんなにこちらが優勢になっても、何か嫌味を付けられ、ぐちゃぐちゃっと攻められているうちに気が付いたら潰されているという感じでした。

まさに恐怖。

もちろん、私が弱かったことは事実ですが、小林さんの圧倒的破壊力に、プロの恐ろしさを知りました。

やればやるほどに、私の頭は真っ白になり、思考も精神力も、そして体力も飲み込まれてしまいました。

北畠からの帰りの電車では、座っていることができず、こんにゃくのように眠ったことを覚えています。

 

その恐怖の小林さんを戦意喪失させる藤井君。

私見では、まだトップ棋士との差は大分あるようですが、きっと追い付き追い越すんじゃないかという気がします。頑張ってほしいですねぇ!