質問すべし
数学は具体的なことを通して一般的なことを学び、一般的なことを具体的なことに適用することにより深まって行きます。
たとえば、
この漸化式はこのようにして解く
つまり、一般的にはこういうことだ
では、それをさまざまな場合で使ってみよう
といった感じです。
ところで、
多くの場合、生徒諸君はどこでつまずくでしょうか?
具体例を一般化するところでしょうか?
それとも一般化した法則を具体的な事例に適用するところでしょうか?
ちょっと考えると、具体例を一般化するところが難しいのではないかと思うかも知れませんが、そうではありません。
そうではなく、一般化された原理を個々の場合に適用するときに難しさを感じる諸君が多いのです。
結局、
原理を深く理解していなかったのだということになりますが、これはどのようにすれば克服できるのでしょうか?
その答えは、
問題を解くしかありません。
問題を解く中で、「そういうことだったのか!」と再認識する瞬間があり、徐々に理解が深まって行きます。
では、
自力で問題が解けない場合はどうすればいいのでしょうか?
基本的に、助けてもらうしかないです。
まず、分かっている人が解いてみせる。そうすると、なぜそうするのかという疑問が出て来るので、それをぶつける。この原理を使ったのだと説明する。これが飲み込めなかったら、もう一度その原理が出て来たところまで戻って、その由来を説明する。
まあ、こういうやり取りの中で、生徒はそれまで越えることができなかった壁を乗り越えて行けるようになるのです。
中には驚くほど簡単に乗り越えて行く子もいます。
しかし、逆に驚くほど飲み込みの悪い子もいます。
ではここで、話のついでにもう一つ問題です。
よく質問するのは、飲み込みのいい子でしょうか、それとも飲み込みの悪い子でしょうか?
もう、この答えは分かってしまいますよね?
当然、飲み込みに苦戦している子ほどたくさん質問をすべきです。
でも実際は、むしろ分かっている子ほど質問するという傾向があり、質問すべき子に限って「分かりました」などと言って流して行くのです。
まあ、そのようにしてきた結果が「飲み込みが悪い」という現状を作ったとも言えます。
今回こういう子がいて、非常にもどかしさを感じたのでこのような記事を書きましたが、実は、もっとたくさんの質問をすべき子は他にもいっぱいいます。
稲荷塾ではどこまでも質問に対応する体制を整えていますので、うまく利用してほしいと願っています。