「最短でマスターする数学」
昨日、これからは少しずつ稲荷塾の紹介をしていくと書きました。
まず、今日は本の紹介です。
これは高校数学参考書のアマゾンランキングです。
「最短でマスターする数学」の今日のランキングは19位でした。上位は共通テスト対策のような読者対象の範囲が広い本や、チャートのような営業力で勝負しているような組織が出している本が占めます。したがって、個人のカラーを前面にした本の中ではほぼトップと言ってよいと思います。
「最短でマスターする数学」は稲荷塾のテキストを土台に私が授業で板書し、説明した内容を整理し、まとめた本です。1つのテーマについて「概要の説明」「問題を通しての説明」「その関連の問題を自分で解いてみる」の3段階で理解するという形式で書かれています。
他の参考書とどこが違うのかと言えば、高校数学を1つのストーリーとしてどのような順序でどのように説明すれば分かりやすいかを目次にし、それにしたがって問題を選んでいる点が決定的に違う部分です。
これで学べば、高校数学の骨組みができ、その上で演習すれば大きく積み上げることができるということです。
これに対してチャートなどは問題選びが先です。できるだけ多くのパターンを網羅できるように問題を選び、それに説明を加えています。要するに辞書を目指しているということです。たくさんの問題を解く中で骨組みができないものかと期待しているのです。
チャートがダメだとは言いませんが、「最短でマスターする数学」で学ぶより何倍も多くの労力を必要とします。説明のために問題を選んでいるのと、選んだ問題を説明するのは全く別物だということです。
実際、「最短でマスターする数学」1冊の中に数ⅠA、数ⅡB、数ⅢCすべてが入っていますが、チャートの数ⅠAの1冊だけでも「最短でマスターする数学」より分厚いです。
たとえば国語を勉強するとき、小説や論説文を読んだりするとしても、広辞苑を開く人はいません。それは効率が悪すぎるからです。