出版関連もろもろ
梅田のジュンク堂でもポップが付いていたようです。
この前の丸善のときと同じポップなので、これは書店が作ったものではなく、出版社が作ったもののようです。
ポップが付く場合、書店、あるいは書店の店員が気に入った本に付けることもありますが、出版社の戦略で出版社が作って書店にお願いするというケースもあり、今回はどうも後者のようです。
まあ、まるで売れていない本なら、書店もオーケーしないはずですからそれなりに売れているということだと思います。
いずれにしても非常にありがたいです。
この本は2015年7月初版ですから5年前の本です。その前に出した「小さな数学塾のヒミツ」も「頭のいい子には中学受験をさせるな」も初めの2、3年は勢いがよくても5年もするとだんだんと売れなくなり、「頭のいい子には中学受験をさせるな」に至っては既に増刷が中止されてしまいました。これは2014年1月が初版ですから「稲荷の独習数学」と比べて1年半ほど初版の時期が違うだけです。
一つは本の性質もあると思います。「稲荷の独習数学」は学習参考書なので、毎年新しい読者対象が生じるという面があるので、長生きしていると思います。それに比べてエッセーや、ん?「頭のいい子には中学受験をさせるな」はどういうジャンルになるのでしょう? 教育書かなぁ … まあ、そういう本は特別に注目された本ではない限り、だんだんとしぼんでいくのです。売り上げが下がり始めると、出版社は宣伝もしなくなりますから。
そういう意味では、こうして5年生き延びた本を出版社が宣伝してくれているのは本当にありがたいことです。
学習参考書の中には長年人気が衰えず、指導要領が変わったりするタイミングで版を変えるものがあります。
一般に増刷と重版という言葉は同じような意味で使われていますが、本当は随分違います。増刷は誤植の訂正など小さな変更はあっても版そのものを変えるわけではなく、単に在庫が少なくなったので増刷するわけです。それに対して重版は、たとえば「データの分析」という新しい単元が入ってきたのでそれを加えましょうといった具合に版を変えるのです。
私としては版を変えたいのです。「データの分析」もそうですが、「統計」分野も入れたいし …
この本は題名の通り、一人で高校数学を学べるようにするために書きました。1冊で高校数学全部を学べるようにするために、三角比と三角関数を1つの章で書きました。両者で重なっている部分があるので、まとめてしまうとページ数をカットすることができるからです。同じ理由で数ⅡBの微分積分と数Ⅲの微分積分もまとめました。
でも今、反転授業で用いるようになって、これらは分けて説明する方が使い勝手がいいのです。
となると、結構大掛かりな版の変更になります。
つまりお金がかかります。
どのぐらい生き延びて、どのぐらい売れれば重版になるのか、それは出版社側に基準があるので私には分かりません。
願っているだけで決定権はない …
もどかしい状況です。
仕方がないので攻めようと思います。
たとえば「演習の第二段階」のような新しい本を書くとか。「頭のいい子には中学数学をさせるな」も最新の考え方を加えて整理し直したような続編を書きたいと思います。
今、演習数Ⅲのテキストの解答を解説化したものを作っていますが、これも本を書く作業と限りなく近い作業です。いろんな作業が一段落したら、標準問題を集めた問題集も作ってみたいと考えています。いいものが書けそうな気がしています。
いずれにしてももっと力を付けないとダメですねぇ!
頑張ります。