見える範囲を広げるには?
入試問題は往々にして小問に分かれています。
その場合、多くは誘導になっているのです。つまり、いきなり結論を問われると難しいので、何かを示したり、何らかの値を求めたりすることで、結論にアプローチする道筋が見えてくるのです。
ですから、小問に分かれている標準問題の小問を取り払うと、急に結構の難問になることがあります。自ら解法の糸口を探らないといけないからです。
先日、そういった誘導を除いた問題について、授業で使う演習問題として適切であるかどうかをチェックしてほしいと興心に頼まれ、解き始めました。
もちろん、彼は誘導付きの問題を解いているので、その誘導がなかったらどの程度難しくなるのかが分からないのです。
それで、考え始めましたが、すぐにでも解けそうなぐらいにシンプルな証明問題なのに大苦戦。
あれこれこねくり回した挙句、遂にギブアップ。
誘導を見れば、なるほどと納得できましたが、それを自分で気付くのは無理ではないかと思いました。
こういうことがあると、頭のいいやつはどう考えるのだろうかということが気になります。
それで、ケンシロウとチューターの加藤君に聞いてみることにしました。
すると、2人とも30分もしないうちに返信が届きました。
それぞれ、全く違うアプローチで解いていました。共通点は、何でそんなことを思い付くのか、私の理解を超えるような発想だったということです。
こうなると、どうしてそのように考えるのかが気になります。ということで、あれこれ聞いてみましたが、言われたらそうかなと思うだけで、自分で気付くのは難しいと感じました。
結局、見えている範囲が全然違うことが分かりました。
でも、どうして彼らはそういうレベルに至ったのでしょうか?
もともと、そのポテンシャルがあったことは否定できません。
加藤君は高1のとき、堀川で40番台の成績で、良くないんだとぼやいていました。同じクラスに堀川で8番の子がいて、確かに成績だけを見れば、加藤君はその子に負けていたのです。
しかし、質問する内容の深さというか、常に本質に切り込むものが加藤君にはあって、それは間違いなくトップレベルだと感じていました。そして実際、卒業するころにはそういう成績になっていました。
ただ、そのころは、まだ私が教えることができていたので、彼らはその後、その先を学んで見える範囲を広げて行ったということなのかも知れません。
大学の数学、勉強してみようかなぁ …