稲荷塾の反転授業
昨日の続きです。
https://inarijuku.com/2023/04/25/32495/
テキストの問題を2ページ解いて来てもらうとして、最初はその解答から授業を始めていました。
まあ、それでもテキストを1回の授業で1ページずつ進んで1年で数ⅠA、あるいは数ⅡB、数Ⅲを学ぶようにしていたのが2ページずつ進むようになったので、2倍の進度で進むようになったのです。
そのうち、テキストの解答を渡しておいて、その疑問点の解決から授業を始めると効率が良いことに気付きました。そうすると、予習のレベルをチェックするための小テストを実施することもできるようになりました。
さらに、小テストのレベルにより、予習のレベルを上げることができることも分かってきました。
このことについては面白い話があるので付け加えておきます。
半年で数ⅠAを学べるようになりましたが、半年後に数ⅡBに進めるかどうかの基準を定める必要があります。数ⅠAがしっかりしていないのに数ⅡBに進めば、いずれぐちゃぐちゃになってしまいます。この基準として単元テストの成績を使うことに決め、正確な学力が測れるように単元テストの内容を工夫することになりました。最終的には、基礎的な問題から発展問題まで多めの問題を90分で解き、50点取れれば河合塾の全統高1模試で偏差値70程度だと認めることのできる単元テストにすることにしました。
それで、その基準を越えなければ、もう一度数ⅠAを学び直すのです。
Y君は1度目に合格点を取れなかったので、というよりぼろぼろだったので、2度目の受講に入りました。ところが、2度目の受講時は別人のように小テスト満点を連発したのです。
間違いやすそうなところもしっかり解いていて、彼は変わったのだと確信しました。
ところが、単元テストになると、1回目と同様、やはり全然ダメでした。
単元テストの問題は1回目と2回目は違う問題だったからです。
そこで気付いたのですが、Y君は小テストを予習して来ていたのだと!
これがきっかけで、小テストも1回目と2回目では違う問題にするとともに、レベルをぐんと上げました。分かったつもりになっているけれども理解が甘くなりやすいところを突くような問題にしたのです。
この変更はすごく良かったです。これにより、特に上位層の予習のレベルが上がったからです。
そういう意味で、Y君の貢献は大きかったと言えます。
次は配るテキストの解答や小テストとその解答、その後に行う演習問題とその解答をTEX(数式組版ソフト)で打つことです。
解答を準備しておいてそれを渡すのは、板書して説明するよりずっと効率的だからです。解答を読んでもらって、飲み込めないところだけを個別に説明すると一斉授業なのに個別指導のような対応ができるのです。
そうして、多くの生徒がつまずきそうなところを吸い上げてはその説明を解答に加えるようにしました。この作業は今でも継続していますが、既に相当のクオリティーに到達していると感じています。
このようにして稲荷塾の反転授業が出来上がりました。
1年間で学んでいたときより、半年間で学んだときの成績が上がりました。半年で合格しない場合は1年間で学ぶことになりますが、通常授業の1年間と反転授業2回の1年間の成績は比較にならないぐらいの差があります。たとえば、中2の生徒が1年後に全統高1模試で偏差値70程度になるのです。かなりの確率で!
これはあまりにも素晴らしい方法なので、全国の生徒が受講できるようにとオンライン講座を開講しました。
初めは、とりあえず少人数に対応できるようなシステムを思歩が作り実行してきましたが、徐々に受講生が増える中で、しっかりしたシステムを業者(京大総人の思歩の先輩)に作ってもらうことにし、今年の6月ごろに完成予定です。