中高一貫校に受かったらどうするべきか?

中学受験を終えた後、中高一貫校の中1生のテンションは小学6年生のときのそれより数段落ちるのが一般的です。

それが自然で、そこからは競争に勝つことではなく、数学なら数学を通して得られる知的好奇心の充足をモチベーションとして学びを深めていくべきです。

ところが、100m走の勢いのままマラソンを走ろうとするような塾もあります。なぜそこまで馬車馬のように走れるのかは謎ですが、その塾の生徒は年2回のクラス分けテストで上のクラスの席を確保するために、学校の休み時間はおろか授業中までカリカリとクラス分けテストの準備をすると聞きます。

順位を競い合うことが好きなのか、あるいは、もっと健全で効率的な方法があることを知らないのか …

いずれにせよ、稲荷塾はそのようなやり方には賛成できません。

しかし、だからと言って、勉強に向かう気持ちを失ってしまってもいいわけではありません。中高一貫校の中学生には定期テスト直前以外は何も勉強をしないという生徒がたくさんいます。これは点を取るための勉強で、テストが終わるときれいに消え去ってしまうものです。これではよくないのです。

まず、学校の成績は上位であるべきです。

たとえば洛星であれば、50位以内に入っておくべきです。私は洛星の生徒を4つに分けて見ています。50位以内、50位から100位、100位から150位、150位以降です。50位から100位は浪人して志望校に受かるグループです。100位から150位は浪人しても志望校に受かるかどうかが分からないグループで、150位以降は、洛星に受かったこと自体が信じられないような生徒です。

成績が悪すぎると、まず、本人のプライドに傷がつき、何に対しても無気力になります。そこまでいかなくても、成績が思わしくないと、親や学校からプレッシャーを受け、クラブ活動等にも打ち込めなくなり、楽しくなくなります。

それから、本人が意識するかどうかは別として、長期的計画にしたがって、理解を積み上げていく勉強をすべきです。これは、高2ぐらいになって、いざ本気で勉強を始めようとしたときの基礎になり、その後がスムーズになるばかりか、普段の勉強のレベル自体を底上げしてくれることになります。

結局、稲荷塾方式で中2から高校数学に入り、高1終了までに高校課程を修了し、高2・高3の2年間の演習期間を確保するのが理想的です。

初めは「しゃあないからやっている」でも大丈夫です。そのうちに成績が上がって来たとか数学の面白さが分かるようになったというような「効果」を感じるようになり、次第に加速度が付くようになります。