演習の目的

先日、洛南の高2の子から「フォーカスゴールドをやっているけれども、問題が解けるようにならない。どうすればいいか」という相談を受けました。

これは以前にも書いたテーマですが、重要事項なのでもう一度整理しておきます。

 

フォーカスゴールドやチャートは網羅性が高い参考書です。

そのことについて、いい面と悪い面があることを知っておくべきで、フォーカスゴールドで勉強して問題が解けるようにならないというのは、その悪い面に原因があります。

まず演習の目的は、使うべき道具が乱雑に詰め込まれた倉庫を整理するのに似ています。よく使う道具は取りやすい棚に置くべきで、関連して使う可能性が高いものは近くに置いておくべきです。もちろんコンパクトにまとまった倉庫の方が使い勝手がいいはずです。

「稲荷の独習数学」はそのように作られているので、これで学べば自然とそのような倉庫が出来上がります。

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ところがフォーカスゴールドで学べば、すべての技術がベタで並んでいるので、1種類の棚が100mもつながっているような倉庫が出来上がります。これでは道具を探すたびに右往左往しなければなりません。それに量が多い分、学ぶのに骨が折れます。

 

その生徒には稲荷塾の数ⅡBのテキストを渡しました。

高3になってから入塾してくる生徒のほとんどは入試で使う技術が整理されていないので、この数ⅡBのテキストを渡します。そうすると彼らは必ず1カ月もしないうちにそれをやってしまうのです。そしてそれと同時に高校数学の骨組みが出来上がります。その後は演習を通して肉付けしていけばいいのです。

高2の場合、1カ月で数ⅡBのテキストを仕上げるのは大変なので、半年ぐらいでやればよいと思います。数ⅠAもやればいいのですが、入試問題の中心は数ⅡBで、とりあえず数ⅡBをやれば成績がガンと上がるので、気分もよくなります。そうなれば数ⅠAもやりたいと言ってくるに違いありません。