数ⅡBに入ると勉強法が変わる
高校数学は数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲの3つでできていますが、数ⅠAの中にその基礎理論が含まれます。たとえば数と式、論理、二次関数など、その後使い続ける技術と考え方を数ⅠAで学ぶのです。
それが終わって数ⅡBに入るとそれぞれが独立した各論を学ぶことになります。ベクトル、数列、微分積分などですが、これらはどんな順序で学んでもそんなに大差があるわけではありません。ここでの特徴は、基礎の上に立つ技術になっているので覚えるべきことが多い、ということです。
さて、数ⅠAクラスでは数ⅠAの大部分を終え、今、三角比を学んでいます。これは数ⅠAの一部でありながら数ⅡB的です。すなわち、覚えるべきことが多いです。
この変化に対応できていない生徒が目立ちます。三角比に入って今週で2回目ですが、前回も今回も全体的に小テストの点が低く、直しにも時間がかかっています。
まあ、これは一般的傾向だと言えます。
しかし、中には数ⅡBに入ってから急激に点数を上げる生徒もいます。覚えるべきことを覚え切ってしまうことを苦にしない諸君です。
昔、マロンという生徒がいました。
彼は中2になるところから稲荷塾に来て、当初は数学の点数が低く、それが足を引っ張っていて洛南で真ん中ぐらいの成績でした。だから彼は文系なのだろうと私は思い込んでいました。かるたなんかをしていましたし(たしか4段)、中2の段階で既に敬語を使いこなしていましたし。 ついでに言えば、飲み込みもそんなに良くなかったですし。
しかし、本当は医学部志望でした。そして中3になって数ⅡBに入ると、彼の成績は別人のように伸びて行ったのです。高3になったころには洛南でトップ10に入るようになりました。そして現役で府立医大に受かったのです。それも余裕で。
もちろん、覚えるだけではダメですが、覚えないことには何も始まりません。三角関数でもいっぱい公式がでてきますし、数列の漸化式では同じような形の式でもちょっとした数字の違いにより扱いが大きく変わり、その辺を頭の中で整理しきってしまわないと点が取れません。
数ⅡB以降は、そういう分野であることを理解して勉強してほしいです。特に数ⅡBは入試の中心でもありますし。