一般的法則を具体的事例に適用する

今日は京大の入学式です。

私も春の喜びを体感するために長岡天神まで散歩してきました。

169075997_3728809793904108_6724571421292978052_n

桜の季節はほとんど終わりで、その代わりさつきが咲き始めていました。

168760834_3728809810570773_2071921003624964346_n

しかし、さつきの本格的シーズンはもう少し先のようです。ほとんどはまだつぼみの段階で、これらが一斉に咲くと鳥居の前の一面が真っ赤になるのです。

散歩ついでに天神コートまで歩いて降りてくると、こんなものを見つけました。

169065489_3728809613904126_799127750213734940_n

寄付した覚えはないのですが …

 

さて、今日は少し数学の話をします。

具体的な事例だと分かりやすいけれども、それを一般化すると難しくなるということがあります。

たとえば、y=x^3-3x^2 のグラフが点対称であることを示すのであれば簡単な計算ですが、y=ax^3+bx^2+cx+d (a≠0) のグラフが点対称であることを示せと要求されると、一瞬立ち止まる生徒が多いのです。

これとは逆に、一般的な表記で表された法則を具体的な場合に適用することに難しさを感じることもあります。

たとえば、y=f(x) のグラフをx軸方向にa、y軸方向にbだけ平行移動したグラフの方程式は y-b=f(x-a) であることを理解した生徒に、y=x^3-3x^2のグラフをx軸方向に1、y軸方向に2だけ平行移動したグラフの方程式を求めるようにと要求するとできないことが多いのです。

 

数学ではこれらの両方ができるようになることが重要です。すなわち具体的事例で理解していることを、より一般的な法則として整理することと、一般的法則を具体的な事例に適用することです。

 

昨日の数ⅠAの授業ではこの後者に苦戦した生徒がたくさんいました。

二次関数の入り口で「y=f(x) のグラフをx軸方向にa、y軸方向にbだけ平行移動したグラフの方程式は y-b=f(x-a) である」と習い、それを理解したはずなのに「y=x^3-3x^2のグラフをx軸方向に1、y軸方向に2だけ平行移動したグラフの方程式を求めよ」と要求されて、それができなかったのです。多くの諸君は「三次関数なんて習ってないぞ」と思考停止に陥ったのです。「y=f(x) のグラフをx軸方向にa、y軸方向にbだけ平行移動したグラフの方程式は y-b=f(x-a) である」とは二次関数だけに限った内容ではなく、関数一般に適用できる一般法則であることが分かっていなかったのです。あるいは「xの代わりにx-aを代入する」と言っても、「どのxにx-aを代入するのか?」と戸惑った生徒もいました。

結局、理解したと言ってもいろんな段階があるということです。

徐々に深めていってほしいです。