整式の割り算に対しての素朴な疑問

松谷です。

ある整式f(x)をx^2+1で割ったら-x-1余り、x^2-x-1で割ったら3x+2余った。

そうすると、

f(x)=(x^2+1)P(x)-x-1

f(x)=(x^2-x-1)Q(x)+3x+2

と書けますね。で、f(x)を求めよみたいな感じの問題だったら、まあ典型的な解き方はありますので、それを押さえていて欲しいのですが、それを押さえられていなかった生徒がなんとか解こうといろいろ考えているときに、

「割る式のx^2+1とx^2-x-1を同じ値にするようなxを考えればいいんじゃないか?」

と考えたんですね。

x^2+1=x^2-x-1を解くと、x=-2ですよね。よって、上の式にそれぞれ代入したら、

f(-2)=5P(-2)+1

f(-2)=5Q(-2)-4

で、ここで混乱したわけですね。同じ数f(-2)を同じ数字5で割ったのに違う数字が余りとして出てきたぞ。

よくわからんと。

で、この質問って別にこの問題の解法に直結するわけじゃなかったんですけれど、大事な視点だなと思ったんですね。

つまり、

整式の割り算と整数の割り算はなんか違うということに気づいたわけですね。

整式の割り算は、f(x)=(割る式)Q(x)+(余り)の形になっていて、余りが割る式の次数より低くなる形で規定されています。

一方で、

整数の割り算は、aをbで割るとしたときに、a=bk+rの形になっていて、余りrが0≦r<bという形で規定されています。

ですので、ルールが違ったわけですね。整式の割り算のxのところになんか数字をぶちこんだとして、それが整数の割り算の規定を満たすとは限らないわけですね。

なんか素朴な質問だったので、つい授業で追加で嬉しくなって話してしまいましたが、少し問題とは関係ないことだったので、ポカンとしていた人もいたかもしれません。。

でも、こういう本質的な疑問を感じられる生徒は、やることさえやればめちゃくちゃ力がついていくはずなので、なんとか間に合って欲しいなと感じています。

受験なんか大事ではないというのは簡単なのですが、それでも受験に臨むことになった以上真剣に立ち向かって目標を成し遂げて欲しいと思っています。