AIvs教科書が読めない子どもたち

松谷です。

AIvs教科書が読めない子どもたち

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少し前に話題になってた本です。

本屋に久しぶりに入ったら積んであったので、なんとなく手にとりました。

ちょうど買った日に、たまたま僕の前職での知り合いがこの教授の関係者だったりと分かったこともあり、なんとなく縁も感じつつ。

この本の中で面白いなと感じた記述には以下のようなものがありました。

A IはMARCHと言われる大学に入るくらいの能力にはなったが、東大京大に入れるレベルにはならなかった。なぜならA Iにできることは論理と確率と統計だけで、意味を理解できないからだ。(数学と世界史は高得点とれたみたいです。数学は問題の種類によるようですが、相性がいいものだと東大の上位1%くらいになるようです。)

 

意味を理解できないA Iには代替できない人材になるためには、読解力が大事であると考えられる。

しかしながら、調査したところ、その読解力が著しく欠けている中学生高校生の現状が浮き彫りになった。読解力といっても国語の得点力というわけではなく、教科書に書いていることを間違いなく受け取れるかという意味での基礎読解力である。少し見た目が違う同じものを同じだと分かる力など。

 

そして、旧帝大レベルの大学に入れるかを決めるのは読解力であるようだ。暗記の多寡ではない。

 

高校の偏差値と読解力が0.8程度という著しく高い相関をもっていた。ここから言えるのはその高校に行くのに読解力だけあればokということではなく、読解力がなければそのような高校に行けないということだ。

 

読解力を上げることに、読書の習慣や、読書を早めから始めたかとか、理系だとか文系だとか、得意科目とかそんなことは関係ない。

 

有名中高一貫校の教育改革は参考にならない。なぜなら、中学入試で小6時点でトップ公立高の高3と遜色がない読解力のある生徒だけをふるいにかけてとっているからだ。そういう子は高2までさぼりにさぼっても教科書や参考書を読めばわかるのだから1年間詰め込んで受かってしまう可能性も十分に高くなんの参考にもならない。

 

読解力を上げる確かな方法はまだ見つかっていない。(2017年時点。)ただし、何歳でも読解力を上げられるという仮説はもっている。

 

 

なんてことが書いてありました。たいていはエビデンスベースで書いてありましたが、もちろん仮説の段階のものもあります。

 

まあ、なんとなくそうなのかもしれませんが、例外もいっぱいいますし、微妙なラインの場合もありますから、そんなんで片付けられたくない気もします。

 

みんな環境、努力、才能のバランスは少しすずつ違うのは間違いないですしね。特に勉強に対するモチベーションの多寡はものすごい違いです。

 

ただ、独習数学の内容でも、中学数学の内容でもわざとかというくらいねじ曲がって理解してしまいがちな生徒もいます。そういう生徒をきちんと意味を理解する方向に向けてあげることは大事なのかもしれないと思うのと同時にものすごく大変なことでもありますので機械に力を借りたいところでもある気がします。

 

しかし、その読解力というのは機械的にドリルをやって正解率が上がったから獲得される類の性質のものではなく、真に意味を理解しようとする力、何かを聞いたときにそこから推論する力というものだということでした。

 

はっきりとはわかりませんが、なんとなく、「あーそういうことか」の積み重ねのような気もしてるんですね。

 

でもそれも生活体験が豊富にあって会話を多くしていて、そこから推論が出てくると思うので、やはり遊びは大切なのかもしれません。僕は小学生を教えるときはわざと無駄な会話をしてますが、そんなのも少し重要なのかもしれませんね。

 

高校受験あたりで急速に何か上昇する生徒は何か読解力を手に入れたのかもしれません。

 

生徒1人1人向き合いながらより核心を掴んでいきたいと思います。

 

とりあえず、稲荷塾の本棚に置いておきますね。