小学生部について

中学数学と高校数学で学ぶ量を比較すると1:5程度であるのに対して、それらを学ぶ時間の比は1:1というのはおかしいと考えて、中2から高校数学に入るべきだと主張してきました。

これは一面正しい判断だと思いますが、中2生と高1生の違い、特に勉強に対するモチベーションの違いにより、全く同じ方法ではうまくいかないことが分かってきました。

これと同じことが小学生にも言えます。

算数で学ぶ量は中学数学や高校数学と比べて実にほんのわずかです。これに6年かけるってどういうことなんだろう、と疑問に感じました。実際、自分自身の経験を振り返ってみると、小学生のときの授業は退屈で苦痛でした。5分で分かるようなことに45分もかけてとろとろと進むのです。私は早く終了のチャイムが鳴ることのみを待ちわびて、いつも窓の外を眺めていました。そして「また稲荷君はぼうっしてる!」と叱られたのです。

だから稲荷塾の小学生部では週1回1時間の授業で約2カ月で算数1年分を学びます。

とても刺激的でいいじゃないですか!

でも、これはそこそこ飲み込みのいい子で、しかもある程度、勉強に対するモチベーションを持っている子についての話で、そうでなければどこかで行き詰まります。すいすいと進んでいるときはいいのですが、中学数学に入って進度が遅れだすと、楽しくなくなってしまうのです。楽しくなくなると目に光がなくなります。

こういう経緯の中、それと反転授業により遅く始めても十分間に合うようになったことにより、対象学年を3年生以上から5年生以上に変更しました。

さらに言えば、算数が得意で、学校のペースが遅すぎて退屈だと感じている生徒を対象とします。先取りしておかなければ後で大変になるから、などと考えている方は対象外です。