特別クラスの報告 予習と復習のバランスについて

特別クラスの報告をします。

 

その前に特別クラスについて簡単な説明をしておきます。

特別クラスは高校受験をした高1生が高1の1年間で数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲの高校課程を全部やってしまうクラスです。

そうすれば高校課程終了後の演習期間として2年間を確保することができ、持てる力を十分に発揮することができます。

演習期間としての2年間が必要な理由は経験則です。

まず、高校課程終了後、入試で問われる知識と技術を学ぶ必要があり、これを身につけるのに平均的に1年間かかります。これを身につけると標準的な問題を出題する大学、たとえば神戸大学の入試問題を設定されている時間120分の約半分ぐらい、60分で満点を取ることができます。

この段階で東大・京大の入試問題を2割か3割程度得点できるようになっています。東大・京大では知っているかどうか、あるいは使えるかどうかという問いかけは基本的になく、問題文を読んですぐに解法が見えることはありません。設定が複雑だったり、抽象的だったりして、どういうことなんだろうかと調べる作業が要求されます。これが標準問題とは決定的に違うところで、ほとんどの受験生はこの部分を非常に難しいと感じます。

もちろん、こういったレベルの問題が解けるようになるためのトレーニング方法があり、それにしたがうと、標準問題が解けるようになった諸君が約1年ほどで東大・京大の問題で合格点が取れるようになります。

結局、高校課程終了後の演習期間として2年間を確保するのが理想的です。

ということは、高校受験をした生徒、すなわち高校生になってから高校数学を学ぶ諸君は高1の1年間で高校課程を修了する必要があり、それをするのが特別クラスです。

 

この企画は今年度で2回目で、今年も11月7日で数ⅡBが終了しました。一つの節目に来たわけです。

おおむね順調に進んでいますが、一人の生徒が不安げに聞きました。

数ⅡBで学んだことをどんどんと忘れて行っているけれども、数Ⅲの予習と数ⅡBの復習にはどういう力配分をすればよいのか、と。

彼は堀川の生徒で、学校では数ⅡBの入り口あたりを学んでいます。

だから、学校の勉強がちょうどよい復習になるのです。これが一点です。

それからもう一点は、数Ⅲを学ぶことが数ⅡBの復習になります。数Ⅲの中心は一般関数(特に三角関数、指数・対数関数)の微分積分で、微分積分の基礎として数列の極限もあります。ですから数Ⅲを学ぶことにより、三角関数、指数・対数関数、微分積分、数列、要するに数ⅡBの主要部分を復習することになるのです。

さらに重要な点は、どうせ復習しても忘れるのです。

新しく学んだことを理解するための演習と学び終わってからの演習は意味合いが違い、後者により全体を俯瞰すること、他とのつながりを理解することがが可能となり、そこで初めて学んだ知識と技術が使いこなせるようになります。

ということは早く高校課程を終了し、演習に入ることが重要だということです。

実際、特別クラスの生徒は高2以降、どんどんと伸びます。

昨年度の場合、予想に反して、全員が高1の間にも学校での順位を上げました。そして予想通り、高2になってからは着実に力を付けてきています。

 

彼の質問には大体、こういったことを答えておきました。