稲荷塾10年の軌跡

3月11日、東北の震災から10年ですか …

10年前のあの日、実は稲荷塾は大きく変化しました。

自宅の1階の狭いスペースで細々と続けていたのをやめて、今の建物に移って来たのです。

2011年3月11日がその引き渡しの日でした。

ところが、その日の夜中に親父が亡くなり、ばたばたとする中、徹夜明けで手続きに駆け付けました。それが終わり、鍵をもらって帰って来て、親せきと葬式の打ち合わせをしているときに東北が大変なことになっているというニュースが飛び込んできたのです …

 

それからもいろいろありました。

2014年1月には「頭のいい子には中学受験をさせるな」が出版され、同年3月にCarmeliaが初来日しました。そしてA会話が始まったのです。

2015年7月には「稲荷の独習数学」が出版されました。これが元になって反転授業を模索することになったのです。

反転授業のアイディアはすごくよかったのですが、納得できる形になるまでは随分と時間がかかりました。

数学の授業では「講師が板書し、生徒がそれをノートに写す」という作業の後に説明が始まります。ところが何と、その作業の時間が授業時間の約半分を占めているのです。つまり、無駄が多いということです。

これに気付いたとき、絶対にいい方法があるはずだと直感しました。授業の効率を劇的に上げるやり方があるに違いないと思ったのです。

でも実際は失敗の連続でした。失敗してはそれを改善するということを続けて、「劇的に授業効率を上げることができた」と断言できるようになったのは2020年、去年のことです。

その途中で2017年、松谷君が稲荷塾に来ました。初めは仕事に慣れるのに苦労していた彼も、4年の修業を経て、今では受験指導なら私よりも上になったと思います。

 

そして、

 

あと1年準備して、2022年春から彼は独立します。河原町で新教室を始めるのです。初めは稲荷塾とテキストも授業内容も同じですが、徐々に自分のカラーを出していくだろうと思います。頑張ってほしいです。

 

と、ニュースを発表した後ですが、さらに振り返りを続けると、2019年に特別クラスを始めました。高校受験をした新高1生を対象に1年間で数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲの高校課程をやってしまうクラスです。そうすれば2年間の演習期間を作ることができるので、数学ができるようになるだけではなく、他教科、特に理科の勉強にもバランスのよい時間配分をすることができるようになります。

一般に、高校受験をした生徒が高3のときにする受験勉強は命懸けです。何もかもがぎりぎりで必死で帳尻を合わせに行く感じです。周りのみんなもそうしているので、それが普通になっていますが、実はすごく不利です。これを改善する方法で、いずれは全国標準になると確信しています。

これは初年度からおおむね成功でしたが、まだまだ改善する点はあります。今年、3年目になるので、さらにいいものにしたいと考えています。

 

そして今年、2021年4月からオンライン講座を始めます。4月からは数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲの講座を始め、9月からは演習の講座も始める予定です。

質問対応は対面でするわけではないので、塾と同じようにはできない部分もありますが、できるだけ塾でのサービスに近い形で実施したいと考えています。

具体的には平日の19時から21時の間であれば提出された小テストを直ちに採点して返却します。担当は私の息子(京大理学部院生)がします。

ただ、これをするにはあまりにも多くの準備が必要で、今もそれに追われている状況です。

 

さて、明日12日には合格者たちが集まって昼食会をします。

そして15日(月)から2021年度の授業が始まります。

 

頑張っていきましょう!