演習2について

今日は演習2について書きます。

 

数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲの高校過程を終えてからの演習は2年間するのが理想的です。

「入試における常識」を習得するのに1年かかり、その上で東大・京大の問題が解けるようになるのにさらに1年程度かかるからです。

 

「入試における常識」については11月2日のブログに書きましたが、これを身につけると阪大ぐらいまでの問題がすらすら解けるようになります。これが問われる大学では「入試における常識」を知っているのか、あるいはそこにおける技術が使えるのかが問われます。

しかし、東大・京大の入試では「入試における常識」を身につけていることを前提に別のことが問われるのです。「知っているパターンを当てはめれば解ける」ようにはなっていません。

では、何が問われるのでしょうか?

 

東大・京大の問題では方針が立てにくいということが一つの特徴になっています。

設定が複雑だったり抽象的だったりで分かりにくかったり、目標がぼかされていてどこに向かえばよいのかがはっきりしないこともあります。多くの受験生が初めてそのレベルの問題に触れるとき、この点に戸惑い、非常に難しいと感じます。河合塾の全統記述模試で満点を取れる生徒でも、東大・京大の問題に慣れていなければ2割か3割程度しか得点できないのが一般的です。もちろん数学で2割か3割しか得点できなければ、その時点で不合格が確定します。

実は、こういった問題では、まず不明な点を明確にするために「調べる」という作業が必要になり、うまく調べることができて初めて方針が立つのです。「入試における常識」があれば直ちに方針が立つ問題とはこの点が決定的に違い、この「調べる」力はトレーニングによってのみ身につくもので、トレーニング方法を知らなければ、どれだけ演習しても到達することができません。

稲荷塾では演習2のクラスでこのトレーニングを行い、平均的な東大・京大受験生の場合、「入試における常識」が身についた後、約1年ぐらいで東大・京大に合格するレベルに到達できるようになっています。