稲荷塾の反転授業 その2

昨日、稲荷塾の反転授業のこれまでの経緯を書きました。完全に納得できるレベルの授業になるためにはあと1、2年かかるとも書きました。

では、現時点で評価して、どの程度反転授業は成功しているのでしょうか?

 

そもそも、「通常授業には無駄が多い」という認識からこの企画はスタートしました。だから、2倍の進度で授業を進める方法があるはずだと …

そういう意味では既に成功しています。

 

通常授業では数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲのそれぞれに1年ずつかけて学ぶのが一般的です。

しかし、稲荷塾の反転授業ではそれぞれを学ぶ期間は半年です。2倍の進度です。

さらに3倍の進度で進む「特別クラス」も機能しています。これは高校受験をして高校生になってから高校数学を始める生徒が不利にならないようにするためのクラスです。

ということで、進度という面だけ見れば既に成功していると書いたのです。

 

では到達レベルはどうなのか、ということになります。

通常授業で1年かけて学んだ結果到達できるレベルと、反転授業で半年かけて学んだことによってたどり着けるレベルは同じと言えるのでしょうか?

これは個人差があります。それから学年による差も大きいです。

大雑把な言い方をすれば、高校生は大体、1年で学んでも半年で学んでも同じような結果を出せます。中学生の多くはそのような結果を得るのが難しいです。

じゃあ、うまくいっていないじゃないか、と言われそうですが、そうではありません。

中学生が不十分な結果しか得られなかった場合はもう一度やればいいのです。たとえば中2生が半年で数ⅠAをものにできなかったら、もう半年数ⅠAを学ぶのです。そうすると1年かけて数ⅠAを学ぶことになりますが、これは通常授業で1年かけて数ⅠAを学んだ場合よりずっといい成績を取るようになります。つまり中3になるころには数ⅠAが終わっていて、しかも相当のレベルに到達しています。

稲荷塾において数ⅠAから数ⅡBに進めるかどうかは単元テストの成績で判定しています。3回の単元テストの平均点が50点を越えていれば合格です。大体、河合塾の全統高1模試で偏差値が70程度のレベルです。

中2の間に全統高1模試で偏差値70レベル。

これなら半年ずつで2回数ⅠAを学ぶ意味があるでしょう!

数ⅡBも同様です。中学生は半年ずつで2回学べばいいと思います。

 

さらに、中学生でも半年で数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲを卒業していく生徒がいます。灘の子だったりするような特別に優秀な生徒ですが …

2020年下半期で言えば、半年ずつで数ⅠA、数ⅡBのクラスをクリアし、数Ⅲクラスに進んだ小6生もいます。

 

では逆に、高校生なのに半年で合格基準に到達できなかったらどうするのでしょうか?

これは残念ながら、東大・京大を目指すレベルではないということです。

あるいは稲荷塾の方法が本人に合っていないということなので、別の方法を探した方がいいと思います。