大阪の公立高校の入試所感
松谷です。
大阪の公立高校の入試問題の所感も述べて欲しいと、小学生部の連絡帳にリクエストがあったような気がしました?ので、解いてみました。
大阪府は28年度からC問題というのが出てきまして、
各高校がそれぞれ、A,B,Cの中から選ぶというという形になりました。
これまでは、質問があったときに、それに答えるというような感じもしくは、だいたいどういった問題が出ますよっていう情報の提供でしたので、もう少し自分の中ではっきりさせるために、改めて、最新年度のC問題を1年分解きました。
29年度大阪府公立入試問題数学所感(分析というほどのものではありません。)
形式:90点満点(60分)
第1問:小問集合(42点)
文字式の計算、√の計算、少し複雑な因数分解、少し文章が長い連立方程式、数えるのが面倒くさい確率、計算をできるだけ減らして考えたい2次関数、整数問題という問題群でした。個人的にはいいレベルの問題たちだなと思いました。差がつきやすいというか。これくらいはできるように鍛えてきなさいよという感じです。
第2問:平面図形(23点)
あまり見慣れない構図で、相似の証明をする。そして、三平方の定理などを駆使して、長さや面積を求めていく。なかなか良い問題だと思いますが、多少、思いつくかどうかといった面で時間が厳しくなったりはするのかなと感じました。最初の相似の証明が結構難しいなと。(1)ができなくても、(2)はそれと関係なく解きにいったり、(1)が出来た前提で、(1)の内容を使ったりという風にして点数を稼ぎにいくことが、テクニック的には大事だと思います。
第3問:空間図形(25点)
空間図形の切り口関連の問題は公立入試はすごく大好きです。しかも、必ず、三平方の定理や相似などと融合してくるので、切り口関連の融合問題を数多く解いて慣れておく必要があります。これは学校で、中1でやる空間図形とはあきらかに異質です。(3)はかなり難しいなと感じました。「空間図形は平面を取り出して考える。」という最大の基本をもとにしつつ、補助線を引いたりが必要で、なかなか大変ですね。
全体として:
数学については、29年度の合格者の平均点は載っていなかったのですが、28年度の合格者の平均点が44.2点ということから考えると多分同じくらいでしょう。合格者で、これですからある一定の水準を保った問題ということができると思います。(堀川の去年の問題よりは難しく、おととしの問題よりは簡単です。)そして、図形がすごくすごく重視されていまして、しかも、ほぼほぼ融合問題になっていますので、一通り学習を終えた後の融合問題での問題演習にいかに取り組むかというところが大事になってきます。特に、空間図形の切り口など慣れていないと時間がかかってしまうので、数多く問題演習をしておくとよいと思います。
また、取れる問題を取るという姿勢がとても重要なので、(1)だけは取るとか、(1)が分からなくても、関係なさそうな(2)にトライするとか、関係があったとしても(1)がわかった前提で、(2)にトライするとか。そんなところも大事になってくるかなと思います。
また、大学入試ではそんなに出ないけれど、高校入試でよくでる知識というものがありますから、そこについては、きっちりマスターしておくべきでしょう。
例えば、立体の体積についての、基礎知識として以下のようなものがあります。
これは、大学受験では、そんなに問われませんが、高校受験ではよく見ます。これがなんでこうなるのかというところも含めて理解しておくべきでしょう。これの元としては、三角形の面積の話が元になっていますね。(その部分を底面積とした見たとき、高さにあたる部分が、もう一つの辺の比と同じになっているのも構図とともに理解しておくべきでしょう。)
とりあえず、所感としては、そんなところでしょうか。
あっ、それとは別なんですが、
大阪府の公立入試の英語については、英検やtoeflやieltsを一定点数を持っている人が満点換算されるというのも改めて考えるとエグイですね。そらーどんなに実力がある人も、入試を受けたら点数を少しは落とす可能性がありますから、満点換算はおいしすぎますね。英検準1級を中学生の間にとることの難しさはまぁ理解しますが、帰国子女に近い人?にとっては簡単といえば簡単でしょうからね。英検準1級が日本的試験の名残を残しているから難しいと感じるならTOEFL 60でもいいですけれど。
まぁ、まったく関係ない人も多いと思いますが、関係する人も4,5人もいますので、一応記事にしました。