「遊び」の重要性
いよいよ今日で秋休みが終わり、明日からまた頑張ります。
昨日、高知から佐々木理数塾の佐々木さんが来られ、いろいろと話したということを報告しました。その後、稲荷塾の経緯を振り返り、課題を確認し、今後のビジョンを練り直す時間を持ち、その中で、また違った観点で自分自身を見ることができるようになったので、そのことについて書きます。
塾はそれぞれ自分が正しいと信じることをやっていて、他と比較することが少ないので、ときとして客観性を失うことがあります。
でも今回、似たような目標を掲げ、似たような規模(佐々木理数塾は3人の講師で稲荷塾は2人の講師)で取り組んでいる同士と情報を交換し合い、少し見方が変わったということです。
稲荷塾では土曜日の3時から9時までに演習の時間というものを設けています。
これは、授業を休んだときにここで振り替え授業をしたり、質問がたまったときにここに来て解決したり、単に質問できる環境で自習したいと考える塾生が勉強に来たり、さまざまな目的で利用できるようになっています。
これっていいですねぇ!
反転授業が生まれたのもこの場からです。
大概の途中入塾は、なにがしかの補習をすることでどこかのクラスに入ることができますが、9月に入塾して来た子で、どうしても通常授業に入れるようなプランが組めなかった子がいました。
それで仕方なく、次の春まで個別指導でつなぐことにしたのですが、授業でやったことをまた一から1人のために話すのは正直言ってめんどくさいのです。
ちょうどそれは2年前の話で、「稲荷の独習数学」が出版された直後だったので、ピンときました。
「ここに授業で話していることが書いてあるから、読んでおいで。その中で分からなかったところを解決するところから始めることにしよう」
そうして始めてみると、2倍進むのです。
それでどうしてなんだろうかと考えました。
どうしてでしょうか?
このことはもう何度も書いているので、既にその答えを知っておられる方が多いと思いますが、
通常授業には無駄が多い
のです。
講師が板書する、生徒がそれをノートに写す
という作業(単なる作業)に授業時間の半分ぐらいが使われているのです。
この気付きから稲荷塾の反転授業が始まりました。
少し話は変わって、灘では数学を研究するクラブとか物理を研究するクラブのように理系科目を研究する各クラブがあります。
その中で数学を研究するクラブでは数ⅠAから数Ⅲまでを中1の間にやってしまい、中2から数学オリンピックの問題に取り組むことになっています。
たくさんの入部生があるけれども、たくさんやめるそうです。
そりゃそうですねぇ。中1の1年間で中学数学から始めて数Ⅲまでやってしまうことができる子なんて、いくら灘でもそんなに多くないわけです …。
実は8月のある日、あと半年で数ⅠAから数Ⅲまでやってしまいたいのだけれど、できるだろうかという問い合わせがありました。
みなさん、どう思いますか?
私は何も考えないまま、「できると思いますよ」なんて答えてしまいました。
それで計画を立てて、やってみることになったのですが、今ちょうど1ヵ月が過ぎて、数ⅠAが終わりました。理解のレベルはかなり高いです。稲荷塾の数ⅠAのクラスに入れても上位に来るだろうと思います。
できるんだ!
たった1ヵ月で中1生が数ⅠAをここまで理解できることに驚きを感じます。
これが何につながるかは分かりません。
今はただ面白いと思い、自分の中で物の見方が少し変わったというだけです。
でも、すごく楽しいですねぇ!
そして、こんなことができるのも「土曜日の演習の時間」があるからです。
今回、また別の観点から稲荷塾を見てみて、意外にもこの「土曜日の演習の時間」が重要だったことに気付きました。
さらにこの思索を深め、哲学の旅に出ようと思います。
えっ?
もっとはっきり言えってか?
いやぁ~、まあ、今から舞鶴に釣りに行って来ます。