中高一貫校の中学生の勉強の仕方

中高一貫校の中学生と高校受験をした高1生の勉強に対する意識が随分違うという話を書きました。

では、中高一貫校の中学生はどのように勉強するのがよいのでしょうか?

これが今日のテーマです。

中高一貫校の中学生は高校受験をしなければならない中学生と比べて勉強しません。その理由は昨日述べました。定期テスト前の詰め込みしかしない生徒も多いです。

ということは長期的計画の下、こつこつとすべきことを実行したとすれば、半年もしないうちに結果が出ます。そして、学校生活をするうえでこれが結構重要だと思います。

中高一貫校はよりよい教育環境を求めて作られました。学校もそれを目指しているし、保護者もそれを期待しています。それなのに成績が今一だったり、落ちこぼれていたりしたら、さまざまな障害が生じるのです。

まず、本人のプライドが傷つきます。苦労していい学校に入ったはずなのに、それが誇れないのです。そして親からプレッシャーを受けます。とてもクラブ活動に一生懸命に取り組むという気持ちになれません。こういう状況が長く続くと回復するのが難しくなります。いわゆる無気力状態に陥るのです。

ですから、成績的にそこそこの上位にいることがすごく大切です。そしてそれはそんなに難しいことではありません。「長期的計画の下、こつこつとすべきことを実行」すればいいだけです。

 

稲荷塾で中2から高校数学に入った生徒は半年で数ⅠAを学んだ後、もう半年数ⅠAを学び直します。

数ⅠAから数ⅡBに進む基準は3回の単元テストの平均が50点以上であることで、これは河合塾の全統高1模試で偏差値70以上に相当します。中2の生徒で半年の学習でこのレベルに来れる生徒は非常に稀です。要するに、塾側が要求している予習のレベルをクリアできる生徒が少ないということです。

ですから、もう一度数ⅠAを学び直します。そのために小テストも演習問題も2セット準備しました。

すると、2回数ⅠAを学べば「3回の単元テストの平均が50点以上」という目標を達成する率が劇的に上昇します。

2回、数ⅠAを学ぶということは、結果として1年かけて数ⅠAを学ぶということですが、通常の形で1年かけて数ⅠAを学ぶのとは全く違います。ずっと効果的だということです。

中2から高校数学に入れていれば焦る必要がないのです。それでも中2が終わるころには全統高1模試で偏差値70程度になっているのですから。

しかも、この作業の過程で彼らは勉強の仕方を身につけます。そしてそれがその後の彼らの武器になるのです。

入試の中心は数ⅡBなので、数ⅡBも2回やればいいと考えています。

では数Ⅲはどうでしょうか?

高1が終了するまでに高校課程を終わらせておけば2年間の演習ができるので、数Ⅲも2回やればいいのですが、この過程で進んできた諸君はほとんんどの場合、数Ⅲは半年でものにしてしまいます。結果として2年半とかそれ以上の演習期間を確保できている生徒が多いです。