授業効率の2倍化
指導要領によれば、数ⅠA、数ⅡB、数ⅢCはそれぞれ1年ずつかけて学ぶことになっていますが、稲荷塾では半年ずつで学ぶことができます。
なぜでしょうか?
それは、授業効率を2倍化することができたからです。
その柱は2つあり、授業の無駄を省いたことと、学んだことを定着させるシステムを作ったことです。
まず、授業の無駄とは何でしょうか。
一般の数学の授業において、何か新しいことを伝えるために講師が板書し、生徒がそれをノートに写すという作業が必要ですが、この作業が占める時間は授業時間の半分に達することもあります。これは大きな無駄です。
次に、分かりやすい授業はときとして大きな無駄になります。
分かりやすい授業をするために、それまでの経緯や重要事項の確認をしたり、説明内容が飲み込めていない生徒のためにかみ砕いた説明をすることになります。
しかし、それらを理解している生徒にとっては時間の無駄になることもあります。
ここで、一つ考えてほしいことがあります。
分かりやすい授業を聴くのと、それが文書化されているとして、その文書を読むのとどちらが理解しやすいでしょうか?
直観的に、両者に違いがないことが分かると思いますが、実際、その通りです。
むしろ、文書を読む方が、不明な点が出て来たときに容易に過去に戻れたりするので有利であると言えます。
稲荷塾には、私が授業で話したこと、板書したことをまとめ、整理することで作られた参考書「最短でマスターする数学」があります。
これを読んで来ると、授業を聴いたのと同じ効果があり、圧倒的な時間短縮が可能です。
次に、学んだことを定着させるためには、まず、理解が甘い部分を知る必要があります。
どんなに分かりやすい授業を聴いても、そして分かったつもりになっても、必ず理解の甘い部分というものが出て来ます。そして、理解が甘くなっていることには自分では気付きにくいものです。
ですから、「最短でマスターする数学」を読んで分かったと思えば、テキストの対応する部分の問題を解きます。
「最短でマスターする数学」は塾のテキストを土台に作られているので、内容は完全に対応しています。
このテキストの問題を解くと、分かったつもりになっていたのに解けない、あるいは覚えておくべきことを覚えていなかったという現実にぶつかります。これを潰すことで、理解が深まります。
それでも不十分なところや、誤解しているところがあるわけですが、授業ではその理解が甘くなりそうなところを厳しく突くような小テストを受けます。小テストは15分で、これの直しにも15分の時間をとります。もう一度、参考書やテキストの解答を読み返したり、質問をしながら間違えたところを直すのです。
その後、演習をすることで定着に近付きます。
一般の授業では教室で新しいことを学び、家庭学習でその定着を図りますが、教室と家庭学習の役割を反転させているので、これを反転授業と呼びます。
ここで、もう一つ確認すべきことがあります。
新しいことを学ぶのと、それを定着させるのはどちらが難しいでしょうか?
ほとんどの講師は、この点に関して完全に誤解しています。
誤解しているから、どのように伝えるかということに心血を注いでいるのですが、同様の情熱を定着させるためのサポートに傾けることはありません。
既に上の問いかけの答えを書いてしまったようなものですが、定着させることの方がずっと難しいです。
なぜなら、それは家庭で自分一人で実行しないといけないからです。誰が見ているわけでもなく、クラブで疲れているようなときでも自己管理してしなければなりません。
それはすごく難しいのです。
稲荷塾では、この難しい部分をしっかりデザインした形で教室で行います。
詰まればすぐに質問することができます。
こうして、授業効率は2倍化することができました。