道具をそろえた後にこれを整理する

数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲを一通り学ぶということは、入試で使う道具をそろえているということです。

そろえたならば、次はこれを整理し、使えるようにします。それが演習です。

多くの学校で、この2つをちゃんぽんしていますが、それは効果的ではありません。

つまり、進学校であればあるほど、道具をそろえる段階で、道具に磨きをかけろと要求する傾向があるのです。

要するに、数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲを一通り学ぶ過程で融合問題や難しい問題をやらせすぎるということです。

買ったばかりの道具をいくら磨いても、しばらく使わなかったらいずれ錆が付き、新しい道具が増えるに伴い、古い道具はどこに収納したかもはっきりしなくなります。

ですから、道具を集めきった後にこれを整理し、錆びついているものは磨くのがよく、集めるところで頑張ってもそれほどの意味がないばかりか、その後の弊害になるのです。

すなわち、道具はすばやく集め、それを使えるようにするための演習にもっと時間をかけろ、と言っているのです。集めるのに時間をかけすぎてはいけないと主張しているのです。そうでないと演習期間がどんどんと短くなるので。

 

堀川では数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲを一通り学び終えるのが高3の夏休み前です。北野では高2いっぱいで数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲを一通り学び終えます。

これは一般の高校と比べると早いですが、まるで不十分です。

演習期間は最低でも1年半、理想的には2年ほしいのです。東大や京大に受かっている生徒が無理をしないで学べる平均的な時間がそうなっているからです。

多少無理をしても受かれば、刺激的な受験勉強だったと言えますが、無理をすると、手薄な教科が出やすく、最悪の場合、間に合わないということにもなりかねません。

余裕を持って万全の対策をするためには、追われる状況にしてはいけないのです。

 

稲荷塾では、高校受験をした生徒は数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲのそれぞれを一通り学ぶのに半年ずつをかけて1年半で全部を学びます。さらに、意欲的な生徒用に全部を1年で学ぶ「特別クラス」も準備しています。前者だと1年半の演習期間を作ることができ、後者だと2年間です。

いずれの場合も、学校の仲間と比べて圧倒的に有利になります。