京大工学部に受かる方法
数ⅡBクラスでこの火曜日に単元テストをして、その成績を元に9月からの下半期に数Ⅲに進むべきか、数ⅡBをもう一度するべきかを考えています。
数ⅡBが入試の中心であり、数ⅡBの理解がしっかりしていれば数Ⅲはスムーズに飲み込んでいけます。そういう意味で数ⅡBをおろそかにすることはできません。
しかし、数ⅡBの理解が十分ではない高1生の場合、ここで数Ⅲに進めなかったとすれば2年間の演習期間を確保するのが難しくなります。
進むべきか、ここで腰を落としてじっくり数ⅡBをするべきか、判断が難しいです。
結局、そういう場合、どこかで無理をしなければなりません。
稲荷塾から京大に受かった平均的な生徒を見るとき、つまりぎりぎり受かったわけではなく、余裕で受かったわけでもない子についての話ですが、演習は2年必要です。入試で問われる知識と技術を完成させるのに1年、京大・東大の問題が解けるようになるのに1年、計2年かかるからです。
これが無理をしない方法です。
ところが、堀川のように高3の夏休み前にようやく数Ⅲまでが終わるような進度だったらどうなるでしょうか?
この場合、演習期間は半年です。上に、無理をしないやり方だと2年かかると書いた内容を半年でするのです。
これは間違いなく命懸けの受験勉強になります。
無理をしない方法と無理をする方法の違いがよく分かる話をしましょう。
たとえば、京大の工学部の二次試験の配点は数学が250点、理科が250点、英語が200点、国語が100点ですが、基本的に国語では差が付きません。数学、理科、英語で5割ちょっとの得点が必要なのです。
さて、現役生と浪人生の得点の仕方が極端に異なる科目があります。どれでしょうか?
理科です。
現役生の場合、まさしく5割ちょっとの得点で受かっている生徒が多いのですが、浪人生は基本的に7割取ります。つまり理科だけで合格最低点に対して50点ほどの貯金をするのです。
ですから、現役のときにぎりぎりで落ちて浪人した場合、非常に高い確率で合格します。ほぼ間違いなく受かると言ってもよいぐらいです。
理科は時間をかければかけるほど伸びやすく、本番での失敗が少ない科目です。ですからこれを保険にできるかどうかが非常に重要なのです。
結論として、この浪人生と同じ状況を現役のときに作る方法が「無理をしない方法」です。
数学は勝つのは容易ではなく、負けるのは簡単な科目です。
つまり、ちょっと弱ければ2割か3割しか取れないなどということが起こりやすく、ほとんどの受験生はまず、負けない状況を作ろうと苦労します。数学で7割、8割点を稼ぎに行こうとする生徒は少数派だということです。そしてそういう腕自慢の生徒が本番で失敗する可能性も低くはありません。
「無理をしない方法」、つまり2年間の演習期間を作れた場合、高3になってからの受験勉強は理科中心の勉強になります。そして理科の保険を獲得するのです。
「無理をする方法」、つまり演習期間が半年だったりした場合は、理科の保険がありません。
稲荷塾は理科の保険を作りつつ、数学で勝ちに行こうとしています。
ちょっと贅沢な方法ですが、中3以降の途中入塾だったり、高校受験をした場合は他のみんなの進度に追いつくために最初のしばらくはちょっと気合を入れて頑張る必要があります。