記念日
今日は8月18日、思歩の誕生日です。
出勤前にみんなでケーキを食べて祝いました。
私の場合、もうこの年になると、自分の誕生日は大した意味を持ちません。1才増えようが増えまいが、あまり大勢に影響を与えない気がするのです。
しかし、子どもの誕生日は違います。何か特別な日のように感じるのです。
さて、稲荷塾は反転授業を始め、特に特別クラスを作るようになって、考え方が以前と変わったところがあります。
以前は、高校受験をして、高校生になってから高校数学に触れるのはすごく不利だと考えていました。数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲの高校過程を学び終えてから演習のために2年間という期間がほしいのにそれが取りにくかったからです。
しかし、高校過程を高1の1年間で終えてしまう方法を確立することができ、今では遅くから高校数学を始めても不利ではないようになりました。
ですが、早く学び始めることのメリットがなくなったわけではありません。
一つは学ぶ量のバランスの問題です。
中学数学と高校数学で学ぶ量はおよそ1対5です。なのに特別クラスで高校過程を1年間で学ぶとしたら1の量に3年間かけ、5の量を1年間で学ぶことになり、いくら優秀な生徒でも高1の1年間は大変な思いをします。
やはり中1の1年間で中学数学を学び、その後5年間かけて高校数学を学ぶ方が圧倒的にいいと思います。
もう一つは、高1の1年間で高校過程を学んでしまうことができるぐらいに優秀な子であれば、中学生の3年間、あるいはその前の小学生の間は相当退屈な思いをしていたに違いありません。進度は遅く、分かったようなことを繰り返しドリルすることにうんざりしていたはずです。
今、稲荷塾の数ⅡBのクラスは、高2の堀川、西京、高槻の生徒、高1の東大寺、洛星、西京の生徒などが中核メンバーですが、トップの成績を取り続けているのは小6の子です。
この子は勉強することが楽しいと感じているに違いありません。新しい概念に出会い、新しい技術を身につけることが楽しくて仕方ないと感じているはずです。
本来、学びとはそういうものだと思います。
こういう話をすると、稲荷塾は「大学入試のために先取り学習をすることで有利になる」という考え方をしていると勘違いされることが多いです。
全く違います。
学びを楽しいと感じない子が、いくら先に進んでも何の意味もありません。そういう類の「先取り学習」はプラスにならないどころか、むしろマイナスにさえなります。
多くの私立の小学校でこの試みがなされています。中学受験をして外部から入ってくる生徒に対し、内部から進級する生徒の成績が思わしくないので、小学生の間に中学数学を進めておこう考えるのです。しかし、そのリードの効力は中1の1年間ももちません。ほぼ一瞬に消えてなくなるのです。
形、やり方も重要ですが、もっと重要なことがあることに気付くべきです。