モチベーションの元はどこか?

しばらく前に「モチベーションが大事だ」という話題を何度も書きました。

じゃあ、子どものモチベーションはどこから生まれるのでしょうか?

 

そのことを書く前に、モチベーションにも成長段階があることを確認しておきたいと思います。

小学生のときのそれは自分の体験に根差し、自ら決意し、覚悟を固めたものではないことが多いです。「お父さんのように立派な人になってね」なんていうようなお母さんの言葉の影響を受けて何となくとか、かっこいいサッカー選手に憧れて自分もそうなりたいだとかいったような思いがモチベーションになるのだと思います。

ところが子どもが中学生ぐらいになると、いろんなことを批判的に見始めます。

話を分かりやすくするために私の経験を書きます。

私の母親はことあるたびに「社会の役に立つ人間になれ」と言っていました。さらに「お父さんのように …」ということもよく言っていました。

それで、小学生のころは本当にそう思っていました。「尊敬する人は?」などという問いには迷わず父親だと答えていました。

でも中学生になってからはどんどん見方が変わっていきました。「社会のためにって何だろう?」というところからスタートして、小学校の先生が本当に社会のためになっているのか、と疑問に感じるようになりました。特に日曜日には家でごろごろしながら1日中テレビを見ている父親は決してかっこいいものではなく、それを母親が快く思っていないことも分かるようになりました。

そうして将棋のプロになると決断するに至ったわけですが、こういう心理的葛藤が生じるのは当然のことです。子どもはいずれ独立していかねばならず、それを前にしていろんな考え方や価値観に疑問を感じ、自分なりの考えを築いていこうとするのです。

自分で考えて、自分で決めて、自分のモチベーションで動き始める、これが新しい段階です。

この段階でもやはりロールモデルが必要です。その質が重要です。それからそのロールモデルとの心情的距離も重要です。単に実績だけに憧れているのでは影響を受けません。その人が苦労して何かを成し遂げた経緯を知っているとか、その人の思想を知りそれに感銘を受けるようになると揺るがないモチベーションの元になります。

 

このように考えて来ると、そのロールモデルが親だったらどんなにいいかということが分かってきます。

しかし、批判的な見方ができるようになった子ども、しかも自分の生活を身近で見ている子どものモチベーションの元になるのは容易ではありません。

まず、夫婦が仲良くすること、これが大前提だと思います。

そして、いくつになっても目標をもち、挑戦的に生きていること、これも大切です。

親自身が幸せを感じ、感謝感激の思いで生きていることもすごく大事だと思います。

 

to be continued