モチベーションを高く保て! 補足
私には数学の師匠が2人いて、そのうちの1人の河村さんに「稲荷の独習数学」を監修してもらいました。
この人は学者です。青空学園数学科というサイトを主宰されていますが、それを見ればどの程度のオタクかが伝わると思います。興味ある方はhttp://$x\geqq \log 2$ \ で \ $g'(x)>0$ \を覗いてください。
それに対して私は予備校講師です。したがって「入試に出るかどうか」が重要であるかどうかの基準になります。
ここに葛藤があるのです。
たとえば二次曲線について考えると、円錐曲線としての二次曲線なんて入試には出ません。ましてや離心率なんて、絶対に出ません。
ですから初め「稲荷の独習数学」にはそういう部分の記述を入れていませんでした。
そうしたら河村さんが「二次曲線の説明をするのに円錐曲線について語らないのはおかしいだろ」と言い出したのです。
これは私が折れるしかないですよね?
それで仕方なく一生懸命勉強してそこの部分を書きました。
まあ、分かってみればとても面白かったです。
しかし、そんなことは入試では問われないのですぐに忘れますよね?
以心伝心、生徒たちもその部分については誰も質問してきませんでした。
つい先日までは。
ところが、離心率についての質問があったのです。
もちろん答えられなかったです。
苦笑いするしかないですよね?
仕方なく、「ちょっと待ってくれ。考えるから …」と言って、「稲荷の独習数学」の解読に入りました。そうしながらこれを学んだときに面白いと感じたことを思い出し、何とか質問に答えることができたのです。
この質問をした子は特別クラスの生徒です。
まあよく勉強していると思います。普通なら読み飛ばすようなところでも、しっかり理解して進んで行こうとする姿勢が伝わってきます。
数学ができるようになっていくために、一つには理解力が高いかどうかが重要ですが、それ以上に重要なのは高いモチベーションをもってエネルギーを注げるかどうかということです。