演習の第二段階

昨日、チラシができたことを書きました。そのメインの主張は「東大・京大を目指すなら第二段階の演習が必要」という内容です。
ここで第二段階の演習という聞き慣れない言葉が出てきましたので、今日はこれについて紹介します。
これは、この春に出版予定(少し遅れそう)の新刊「演習の第二段階」から来ており、その説明をこの本の「はじめに」のところに載せています。ですから、その部分を読んでもらうのが一番分かりやすいです。
以下に貼り付けておきます。
演習の二段階
「すみません、勉強不足です」
難しい問題に出会うたびにこのように感じ、そこで思考を止めてませんか。
標準問題は解けるようになったのに、東大・京大レベルの問題が解けないのは、実は、知識が不足しているからではありません。
 数学の問題は
1.条件
2.結論
が与えられており、この「1.条件」と「2.結論」をつなぐことを、問題を解くと言います。標準問題では「1.条件」と「2.結論」の距離が近く、知識や技術を身に付ければ「1.条件」と「2.結論」をつなぐことが出来ます。この知識と技術を身につけるための標準問題での演習を私は、「演習の第一段階」と呼んでいます。ここでは一つの技術を身につければ一つのタイプの問題が解けるようになり、解ける問題の幅がどんどんと広がっていきます。
 しかし、演習の第一段階を続けても、東大・京大レベルの問題が解けるようにはなりません。なぜなら、東大・京大レベルの問題では「1.条件」と「2.結論」の距離が遠く、身に付けた知識や技術だけで「1.条件」と「2.結論」をつなぐことができないからです。標準問題のように「知っていますか」とか「使えますか」と問われているわけではない、ということです。
 では、どうすれば東大・京大レベルの問題が解けるようになるのでしょうか。それは、身に付けた知識や技術が使えるところまで「1.条件」と「2.結論」の距離を縮めれば良いのです。つまり、問題で与えられている抽象的だったり複雑だったりして捉えにくい「1.条件」を整理したり、ぼかされていてどこに向かえばよいのかが分かりにくくなっている「2.結論」を明確にすればよいのです。この問題の読み解き方を学ぶのが「演習の第二段階」です。
 本書では、演習の第二段階で何をすべきかを紹介します。これを実践すれば、解ける問題の幅が大きく広がることを実感すると思います。東大・京大レベルの問題を難しいと感じている段階から合格点が取れる段階へ飛躍して欲しいと願っています。
  なお、本書で示した解答の多くはエレガントさを求めたものではなく、誰にでも作ることができる実戦的なものを目指しました。一般に、問題集の解答や予備校が示す模範解答は考えられる解答の中で、よりきれいで冴えたものを載せようとします。そうでなくても、 それを書いている方(多くは予備校講師)と高校生の間には圧倒的な背景知識の差があるので、その解答を読んで納得することはできても、 自分ではその発想ができないというもどかしさを感じやすいのです。本書では、どのようにしたらその発想ができるようになるのかをテーマにしているので、 解答そのものは「かっこよさ」よりも、「ダサくても自力で書けるようになること」を重視したということです。