稲荷塾の反転授業

数学の通常授業では教室で新しい概念を学び、家庭学習でそれの定着を図ります。

ところが、教室で新しい概念を説明するための方法に無駄があります。

つまり、まず板書があり、それを生徒がノートに写すところから説明が始まりますが、この「板書」と「ノートに写す」という作業の時間が授業時間の約半分を占めるのです。

 

「稲荷の独習数学」は、これまで私が授業で話してきたことを整理して作られているので、これを読むと授業を受けたのと同じ状態になります。もちろん「板書」も「ノートに写す」という作業の時間はありません。

ただ、「分かる」と「できる」は随分と違い、分かりやすい授業を受けたときほど分かったつもりになっているだけという危険性があります。それと同じように「稲荷の独習数学」を読んで、「大体分かった」と言うのも危なく、本当に分かったかどうかをチェックする必要があり、稲荷塾の反転授業では「稲荷の独習数学」を読んだ後、テキストの問題を1週間に2ページ解いてくることが予習として課されます。稲荷塾のテキストは、これを土台に「稲荷の独習数学」を書いたので、本と連動しており、これを解こうとすると、理解が曖昧で合った部分が明らかになります。そしてそういう理解が不十分だったところにぶつかるたびに「稲荷の独習数学」に戻り、説明を読み直すのです。

これが予習です。

授業では

  1. 予習段階で分かりにくかったところの説明:20分から30分
  2. 小テスト:15分から20分
  3. 小テストの直し:すぐに終わる生徒もあれば、授業時間いっぱいかかる生徒もある
  4. 補充プリント2枚での演習:授業時間内に全部が終了することは滅多にない

というメニューで進み、「分かる」という状態から本当に「できる」ようになることを目指します。

通常授業での教室での役割と家庭学習の役割を反転させるので「反転授業」と呼びます。

非常に効率がよく、通常授業の2倍の進度で進むことができます。

 

ところで、予習にはどのぐらいの時間がかかるのでしょうか?

これは、どのぐらいしっかり予習しているのかということや生徒ごとの能力によって大きく変わります。でも平均すると大体1日30分ぐらいです。

一応、日々こつこつすることが推奨されていますが、実力が不足している場合はそのように進めるのが難しく、土曜日に来て、チューターに助けてもらいながら一気にやってしまう生徒もいます。

 

さて、1日30分の塾の勉強は大変でしょうか?

これは生徒個々において感じ方が違うので、一概に言うことができませんが、基本的に大変です。学校によっては宿題が多くてそれをこなすだけでも楽ではないところもありますし、そうでなくても定期テストやさまざまな学校行事で忙しくなる時があったり、クラブ活動で疲れてしまうこともあるでしょう。そういう中で1日こつこつ30分予習をするのは大変です。

ですから、みんなには余裕があるときに余分に進めておき、不測の事態が生じたときでも予習が間に合わなかったとはならないように頑張るように伝えています。

to be continued