賽の河原
ある高2の生徒が積分方程式(数Ⅲ)の難しい問題の解答を理解しようとして何度も質問してきました。
それに答えながら、「この子の基礎はかなり怪しい。本当はもっと簡単な問題からやるべきだ …」などと感じていました。
それでようやく理解したということで、どうするのかと見ていると直ちに次の問題に取り掛かりました。
それを見ていて、だからこの子は勉強ができないんだとその理由を見たような気がしました。
苦労しながらやっと分かったような問題は解答を見ないでもう一度自力のみで解いてみないといけません。
そうすると、ほぼ間違いなくどこかで詰まります。
どうだったかなぁ … などと考えて解決する場合もあるし、もう一度解答を見直さないとダメな場合もあります。
そういう作業をして初めてちゃんとした理解に近付くのです。
「分かって次、分かって次 …」なんてやっていると何も残っていきません。
「お前、それは賽の河原やで」
と言いながら、勉強の仕方を説明しました。
ちなみに「賽の河原」をグーグルで調べてみると「いくら続けても、あとからあとからくずされる、むだな努力のたとえ」となっていました。
まさにその通りです。
もう一度書き直すという作業はめんどくさいようで、確実に身に着いていくので、しだいに積み上げることができ、勉強自体も徐々に楽になります。
ところが、この高2の子のようにやりっ放しでやった気になっていたら、何も残らないし、次から次へと新しいことが出て来る数Ⅲのような分野では進めば進むほど道は暗くなり、何が分からないかも分からない状態になって行きます。そうなってしまうと自信もなくなるし、モチベーションも消えてしまいます。
一刻も早く効果的な学習法を身に着け、それを実行してほしいです。