英検受験記④Sと大学入試活用
松谷です。
英検受験記最後です。以下のリンクの続きです。
先に、英語民間試験の大学入試活用のニュースついて少しだけ紹介します。
以下毎日新聞の記事から引用します
https://mainichi.jp/articles/20180715/k00/00m/040/147000c
東京大学は14日、2020年度から始まる大学入学共通テストの英語で導入される民間資格・検定試験を合否判定に使うかどうかについて、白紙に戻して検討することを明らかにした。東大は今年3月に民間試験を使わない方針を示したが、4月には一転して活用すると発表していた。国立大学協会は民間試験の活用を既に決めており、東大の決定は他大学に影響を与える可能性もある。
東大はホームページに「入学者選抜方法検討ワーキング・グループ(WG)答申の公表について」との文章を掲載。4月に設置したWGが、民間試験について(1)成績提出を求めない(2)諸課題について文部科学省などから説明を受け、納得のいく回答が得られたら活用を検討する(3)国際指標CEFR(セファール)のA2以上(に該当する民間試験の結果)を出願資格とするが例外も認める--の3案を提示したことを受け、学内で議論するとした。
詳しくは東大のページから見れます
https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/admissions/undergraduate/e01_admission_method_02.html
東大のページを読んでみるとかなり慎重に検討している様子が見受けられます。共感できるなあというのが正直なところです。
まぁ僕は、国の方針で英語民間試験が活用されるだろうと踏んで、少し先取りで英語民間試験を受けてみた側なので、英語民間試験活用大賛成派っぽく見えるかもしれませんが、そういうわけではありません。むしろ、本当にやるのかぁまじかぁ、受験生かわいそう、、、、。少しだけでもサポートできるように知識を持っておくのもありかな。。。というスタンスなのでね。。
まぁ実際はどう転んでもいいように準備しておくしかないということですね。。そして、いずれにせよ受験生として最大のネックになるだろうものがスピーキングです。
ということで、英検受験記の、最後は、
スピーキング
についてです。長いので、興味が無い人は読まないことをお勧めします。
英検1級のスピーキングの試験形式は、
フリートーク1分(採点対象外とされている)
スピーチのための1分間の準備(5つのトピックを渡されてから1つのトピックを選び、その構成を考える)
スピーチ2分
Q&A5分程度(スピーチした内容に関連した質問が来るのでそれに答える)
という感じです。
まあ、結論から言うと、スピーチがかなり難しいと思います。やってみたら感じると思いますが、かなり苦しみます。それ以外はただのやりとりができるかどうかが問われているので、ある程度普通に喋れるならば大丈夫かもしれません。
実際にここから、僕がやった対策を述べますが、
これが正解であると言うことは僕にはできません。なぜなら自分のスピーキングレベルが全然まだまだなことを知っているからです。ただ、週1の英会話レッスン1年くらいでそれ以外に英語を話す機会がほぼなくて、留学経験やインターナショナルスクール通いなどの特殊な経験がない人の場合の方法論の一つに過ぎないことをあらかじめ断っておきます。
まず、試験の概要やイメージを知るために、「英検1級2次試験予想問題集」を買いその中で、どんなものなのかを、教えてくれるビデオが入ってたので、その10分くらいのビデオを、見てイメージを持ちました。その中で、面接官はネイティブが1人、日本人が1人であること、距離は机2枚分くらいの隔たりでだいたい1メートルくらいであること、フリートークのだいたいの中身などを知ることができました。実際に、この買った書籍ではそれしか見ていないので本の9割は無駄にしているとも言えます。。
フリートーク(採点対象外)
最初にフリートークが1分ほどあるんですが、そのなかで「少しあなたのこと教えて下さい。」みたいなことを言われるので、30秒くらいで自分の職業などを、しゃべれるようにしておきましたが、まあ、カーメリアと週1回1年くらい話しておけば、何にも心配はないと思います。そもそも採点対象外ですしね。ただ、それに加えて、僕は英検を受けるって決めてから2ヶ月ほど、DMM英会話というオンライン英会話に入会して話す機会を増やすのとにもしました。そこでは、毎回新しい先生になることが多かったので最初さらっと自己紹介をする機会を何回も得られましたので、まあ問題なく自己紹介できました。ただ、実は少しだけ盲点がありまして、このフリートークでは、面接官のネイティブスピーカーの音声が聞き取れるように耳をチューニングするのが大事だと思います。ちなみに僕の面接担当官の英語は手加減なしという感じの小さい声でかつ早くて繋がった音声だったのでかなり動揺しました。でもぎりぎり分からなくはないか。。って感じで切り抜けられましたが。1次試験のリスニングより全然きつかったです。まあ、わからなければ聞き返せばいいんでしょうけど。毎回聞き返すのもいやですしね。ちなみに、1回はOKですが、2回以上聞き返すのは減点対象と言われています。
1分間の準備と2分間のスピーチ(1o点分)
最難関パートだと思います。とにかく、理由が思い浮かばないということが僕の考える一番難しいところです。英作文くらいの考える時間があれば自分のある知識をいろいろなところからかき集めてなんとか文を組み立てられると思いますが、スピーキングではそんなわけにはなかなかいかないです。例えば、僕が本番で選んだお題は、「政府は言論の自由に制限を加えるべきか」というものですが、1分間与えられるので、まず、「トピックを5つの中から15秒くらいで選ぶ」そうしてから残り45秒くらいで、「賛成か反対を決める」そして、「適切な理由を2つ考える」そして、「理由をサポートする具体例を考える」さらには「文の組み立てを考える」ということをしなければならないのですが、まあ難しいと思います。すなわち、一度は考えてあるテーマでないと普通はなかなか厳しいと思います。実際、日本語で、やれって言われても難しいかなと思います。
僕の感覚では、特に「適切な理由を2つ考える」というところが難しいです。1個は思い浮かんでももうひとつを時間に追われながら考えるのが難しいです。なぜなら、もう一つの理由は、最初に考えた理由の延長線上にないことが多いからです。そうすると頭を切り替えなければならないからです。このことをカーメリアに模擬練習やってもらいながら痛感しました。
ということでよっぽどスピーキングや意見出しや考えることがものすごく得意だっていう人以外は、少なくとも英検頻出のテーマ10~20個くらいについては事前に考えておくべきだと思います。ちなみにこの作業が英語というより少し社会よりの作業なので、あんまり楽しくないような気もします。しかし、「英検1級面接大特訓」と「英作文完全制覇」にネタは正直全部載っていますので、あとはそれを自分の中に落とし込んでいくという作業となります。ただ、僕としては、それでも多くて整理しきれなかったので、ネットでそういうテーマと理由をあらかじめ考えてくれている人たちのものなども参考に、最終的に15個ほどのトピックについて、「海外で学ぶことの是非」→agree. 理由:better communication skills、creativity。「AIは雇用を奪うか」→no.理由:efficiency、creating more business opportunitiesなどといったものを考えておきました。しかし、それでもはっきり言ってそれが本番に当たるか、思いつくかわかりません。しかし、よく考えてみると、僕が考えたトピックにおける理由っていうのは、結局、communication, business(economy),efficiency,health problems,safety,creativity,as a role model,corruption あたりにだいたい集約出来ることがわかったので、最後は、困ったら全部この理由につなげようと思っていました。実際、理由が思いついたらまあなんとか具体例は思いつくかなと思います。結局、僕は、本番、「言論の自由の制限すべきか」→disagree.理由:権力の濫用、そもそも憲法に違反、という感じで答えて、10点中9点もらえたので、別に方向性としては間違っていなかったのかなと思います。ただ、このスピーチの準備に20時間くらいはかけたと思うのですが、すごくうまくいかないことがず~~~~っと続いていて本当に嫌気がさしかけていました。最後の2日間くらいで理由の共通性が見えた事で少しだけ光明が見えたので良かったです。
インタラクション(1o点分)
これは、要は、スピーチの後のQ&Aで適切に自分の意見が言えるかということですが、はっきりいってスピーチと比べるとそんなに難しくないような気がします。考えるきっかけを面接官がくれてからのスタートなので、英語でしゃべる機会が少しでもある人にとってはすごく普通の会話な気がします。僕の場合は、1年前なら困っていたと思いますが、カーメリアと1年間レッスンできたので、特に怖くはなかったです。実際、ほぼ無対策でも大丈夫だったのかもしれません。しかし、英検1級っぽい硬い会話ばかりをすることなんてそんなにないなという気もしますし、1次試験準備開始から2次試験までの2カ月弱については、「DMM英会話」に参加し、特に1次試験後からは、その中にあるテーマ別ディスカッションとディスカッションってやつでとりあえず会話をして硬い会話に慣れるようにしておきました。結局2ヶ月で700分くらいは話しましたので足しになったのではないかと思います。
具体的なやりとりは、「制限反対だということですが、ヘイトスピーチはどう思いますか?」「マスコミは何でも言えるべきですか?」「本当に何でも?差別的な発言でも?」「情報が制限されているような中国のような国についてどう思いますか?」このあたりの質問に対して思ったことを、話していました。ただし、制限反対という立場は崩さずに。結局時間制限もあるので、あまり長い応答を、するよりは、端的に、こう思う。なぜならこうだからだ。具体的にはこうだ。くらいのことをさらっと述べればよいかと思います。
文法語彙と発音(1o点分、10点分)
まず、文法語彙については日本人は学校教育の性質上得意なんだとは思います。ただ、文法語彙のミスが細かく見られるというよりは、ある程度の発話量を確保したうえで、相手に内容が伝わる程度の正しさがあればいいという感じだと思います。僕ははっきりいって文法語彙はたぶんかなり詳しいですけれど、それでも発話するとすごくミスするんですね。たぶん発話時における音声的な蓄積が不足しているのでそうなるんだと思っています。評価も8/10ですし。話す文法レベルは中学英語プラスαくらいで十分だと思います。僕の場合は、カーメリアに習い出した最初くらいのときに「どんどん話せる瞬間英作文」とかいうので中学英語を練習していましたが、話す文法としてはそれでしばらくはOKだというように感じます。僕はこういうトレーニングが好きですし、個人的には意味があると思っていますが、嫌いな人は嫌いだと思いますし、賛否が分かれるところだと思います。カーメリアとしても訳する癖がついてしまうような気がするというような見解です。もっと、パターンプラクティス的なものを、好いているようです。
発音については、僕の発音はそんなに良くもないけれど、まあ悪くもないくらいだと思います。評価も8/10ですし。実際は、スピーキングでネイティブを目指して鬼のように発音を鍛えてきたとかではなく、単純にリスニングをある程度のレベルに上げたいと思ったときに、ある程度音の出し方を知っていた方が聞き取りが改善するかな思ったので、その目的でそれなりに発音をするようにはしてきました。社会人1年目くらいのときにTOEICを受けようと思ったのですが、リスニングというのを実際ぼくは体系的に訓練したことがなかったのですが、何か訓練したいなと思ったら「英語耳」という書籍が人気になっていたので、買ってみたらリスニングの本なのに、発音を結構学ぶ本だったんですね。なので、それで少し練習しました。5日間くらい?それ以外は、CD音声に合わせてのオーバーラッピングやシャドーイングは発音に効くとは思いますが、それ以上完璧にしていく方法はまだわかりません。また、その完璧さを求める必要があるかもわかりません。それより先にすることがあるような気がします。
スピーキングと英検受験のまとめ
結局、スピーキングというのは僕らくらいの世代の人にとっては大きな壁だと思いますし、今の学校教育がどれくらい改善ができているのかはわかりません。ですが、英検については、準1級までのスピーキングテストに比べて、1級のスピーキングテストは一応ちゃんとしたスピーキングテストの体を成しているのかもしません。準1級までは90%程度2次試験で受かるのに対して、1級のスピーキングテストは50%~60%程度の合格率ということのようですから、いちおうそれなりにレベルを分けられているのでしょう。ただ、面接官による不公平、スピーチのトピックによる運不運については、なんとも言えないもやもや感が残ってしまいます。ただ、スピーチのために幅広い社会的話題に対応できるようにするために準備するのはかなり大変でした。結局僕は、2次試験対策で1次試験後から30時間くらいは対策していると思いますから。これを大学受験などでアップアップしており社会的知識も偏りがちな高校生に課すのが適切なのかは大いに疑問が残ります。ただ、高校生はいやおうなくその流れに放り込まれそうです。う~ん。
ちなみに、大人の英語に対する満足感というものは自分が決めるものですから、別に試験を受ける必要はまったくありません。僕は、合格してから、何か満足感がやってくるかと思ったらまったくやってきませんでした。ほっとしただけです。ただ、すごく鈍感な自分にとっては、カーメリアのレッスンを受けた自分の変化を何らかの形で感じたいなという欲求がありまして受けたという形でした。TOEFLとIELTSが値段が高すぎる(2万円以上)というなかで、英検の価格はリーズナブルに感じましたし、正直最初にスピーキングやライティングのレベルをはかるのにちょうどいいレベルなのかなとも思いましたので、受けたということです。でも、まあたいしてスピーチができなくても、ある程度コミュニケーションがとれていたら受かるようです。つまり、よっぽど偏った勉強しかしてきていない人を落とすためだけの試験ということなのでしょう。最初に受けるコミュニケーショ試験としては受験生にとっては優しいのかもしれません。
とはいえ、よっぽど偏った勉強をしてきたような僕にとっては、とっても不安ではありました。ただ、カーメリアと1年レッスンを受けてきたので、多分フリータークとインタラクションは大丈夫というような安心感と、外国人への恐れみたいなのはなくなっていたので、うまく乗り切れました。結局、外国人に自分の意見ぶつけつつ質問されたことに答えるっていうだけなので、それは本来は楽しいことのはずですからね。あっ日本人の面接官もいましたね、、。存在感がなさすぎました(笑)
1次試験と2次試験の対策に合計50時間
費やしました。これは僕にとって、そんな意味があるかわかりません。ただ、大学受験生との距離感もわかったのは良かったことでした。
現状の、東大京大レベルの受験生の合格者の平均的なレベルというのは、英検準1級レベルに過去問対策を加えたって感じのレベルです。そこからは、300〜500時間くらいの学習をうまくすれば、英検1級に受かるレベルになるなと分かりました。てことで、英検準1級を高校1年くらいで取得していない人には英検1級を高校生の間に取得することはあまりオススメしません。他の教科で忙しすぎるからですね。500時間くらい割けるような英語専門学科狙いじゃない限り。
まぁ、結局、個人的にはTOEFLが安いなら1番いい試験だと思いますけどね。ただ、一方で高校生には難しすぎますね。一般的には。