生徒に真剣にアドバイスする(受験英語)
松谷です。
昨日は、少し受験生に英語のアドバイスをしました。
僕は、コミュニケーション英語に関してはひよっこ中のひよっこですが、受験英語については、かつてはプロとして仕事していました。特に英語の教材編集をしてたときは、その道のプロたろうと頑張っていました。(もう10年くらい前ですが。数学の教材編集をする前に3,4年くらいやっていました。)
もちろん、カーメリアから比べるとあらゆる面で段違いに劣ります。まぁそれは真の英語力の実力不足ということで仕方ないですね。
まぁ、でも求められたならば、僕のできる限りということで真剣にアドバイスをしたいとも思っています。
まぁ、なかばボランティアですが、切に生徒さんを思っての行為ということで、多少何か違うなと思ってもそれはうまく取捨選択して欲しいなと思います。
さて、僕は優しい方だと思います(?)。生徒にアドバイスする際も、できるだけ優しい言葉を選びます。
ただ、高みを目指そうとする人が、真剣な悩みをぶつけてきた場合は、それ相応の対応をしたいし、しなければと思っています。
例えば、偏差値70くらいの人が80くらいにしたいという悩みをぶつけてきて、それで生半可な努力しかしてなかったら、努力が足りないんじゃないのと言います。
例えば、シス単をマスターしたのに、まだ知らない単語があります。。って言われたら、
はっ、なめてんの?
です。
受験英語って、本当に、箱庭の英語なんです。
どういうことかというと、難しい教材とかに英文を選定するときって、問題作成者側はかなり多く語注をつけるんですね。
なんで、語注をつけるかというとそのままだと生徒は全く英文の意味が取れないからですね。
いや、模試とか京大とか東大の英語ってそんなに語注ついてないじゃないか!って言う人もいるかもしれません。
それは、模試英文や入試英文に関しては、原著者の断りなく英文をリライトしていいことになっているからです。(教材はダメ。)
すなわち、わかりにくい単語や表現はわかりやすく教授が書き換えているわけです。
つまり、どれくらい書き換えるかなどは、教授の匙加減しだいとなっています。
つまり、学生が磨くべき英語力は、本当はいくらでも上があるわけですね。なのに、上限があるような幻想を抱かされている状態なわけです。
ただ、結局世の中には、そんなリライトされた入試問題の単語の出現頻度から抽出された有名単語帳が流布しています。ですから、まぁそこまで覚えるものみたいなデファクトスタンダードと化しているわけですね。(「鉄壁」は上位受験生のデファクトスタンダードを少し押し上げましたね。)
そして、それ以上覚えるとなるとどこまで覚えてよいかもわからないので、とりあえず今知っている単語を、パーフェクトにしようと考えるのが、安全な思考になりますし、はっきりいってそんなに悪くない判断ではあります。
そうなるとどうなるかというと、単語量ではなかなか勝負がつきません。
(まぁ僕なんかはそれでも人より知ってた方が得だと思いますから、何冊か単語帳を比べて覚えてましたが。)
そうすると戦いは違うフィールドに移っていきます。どのフィールドを主戦場にするかは大学によります。
スピードを持って読み切れるのか、アウトプット重視で作文勝負にするのか、リスニングなどを重視するのか、いろいろなタイプがあります。
関西系の国立大学では、伝統的な英文の構造把握を求める和訳問題や内容説明問題もまだまだ重視されています。
こういった類の問題ではどこで差がつきますでしょうか??
僕が京大や東大の予想問題を先生方と一緒に作っていたときの手順ですと、
基本的に、和訳問題や内容説明問題では明確にポイントを設けます。
例えば下線部を、引っ張った和訳などなら、少なくとも一文に3ポイントくらいはポイントを用意できるところにしか下線を引きません。そうでないと、差がつかないからです。
そして、まずは、英文構造把握できてなければ、限りなく点数がなくなります。
ある程度学習をがんばっているのならば、構造は合わせてくるものです。共通、省略、挿入、倒置、動詞の名詞化、意味上の主語目的語、as、it、that、whatの識別などに弱いなんて話になりません。基本的にできる生徒どうしでは、構造把握だとそこでしか差がつきませんから。
そして、そこまでできてくると、次は、文脈依存の多義語、難単語や難熟語の推測、比喩的表現の文脈理解、代名詞の把握、文脈依存の構造把握など、基本的に文脈のなかで、知識と合わせて類推していくという作業が発生します。
もちろん知識を圧倒的に高めてしまえば類推はほとんどしなくてよいのですが、現実的に受験生はそこに到達しないと思います。
なので、類推をしていくことになるのですが、そこでは多少現代文の能力にも左右されてくるのかもしれません。ただ、どっちかというと、論理を持って合わせていくという作業でもあり、数学的パズル的アプローチでもいけると思います。
どうしても、訳してしっくりこないなというときは、前後と文脈を、合わせるには、下線部がどういう風な意味になったらいいのかなと考えて、そのあたりから、多義語の意味や品詞の識別などを調整していくわけですね。
ただし、どうしても現代文を苦手な人にありがちなのが、下線部の後の文脈からしか読み取れないことがあることを分かっていないということです。
つまり、後まで読んで初めて下線部の意味や構造が完全に規程されることがあるわけです。
すごーく単純な例でいうと、抽象的なことを述べている部分に下線部が引っ張ってあって、そのあとに具体例がかいてあるので意味がわかるといったようなことです。
そのような作業を丹念にしていけば、読み間違えが減り、きっと点数が少しずつ上がるだろうと思います。
まぁ、長くなりましたが、本当に高みを目指すなら、最後まで1つずつ積み重ねていくことこそが大事だと思います。
間違ったときに、これはマイナーだから出ないかなではなく、おっ、知らなかったラッキー、覚えておこう。もし、これが本番ででたらワクワク!というような普段の積み重ね。
そして、試験中の思考による意味の読み取りや類推の少しずつの積み重ね。
このように、ただ愚直に積み上げていく精神こそが結果に結びつくものかなと思います。
最後に、そうは言っても英語はかなり伸びるのに時間がかかる科目です。
高3で、理科や社会などに大穴がある状態で、時間をかけまくるものではありません。
ただ、歩みを止めるのもよくないと思います。
僕の経験談で言いますと、春の全国模試や夏の大学別模試でかなりとれていたのでもういいやって英語はほとんどやってませんでした。
そしたら、秋に結構ぼこぼこにされました。集中的に勉強していた理科や、塾で定期的に勉強していた数学に救われましたが、かなりショックでした。
それで、やばいと思って、今一度真摯に取り組んでいたら、本番で結局、自己ベストが出せました。
結局、愚直に積み重ねるしかないのかなと。少しずつ積み重ねていったら、気づいたらものすごく積み重ねているものだと思います。