入塾試験?
稲荷塾には入塾試験がありません。
でも、それがいいと思ってやっているわけでもないのです。
事実は、「規模が小さいので来る子は拒まずとなっているだけ」というのが正直なところです。
ところが、生徒数はずっと微増傾向にあり、あと2割ほど増えるとそれ以上は収容できないというところまで来ました。
そうすると、その後は入塾試験をするのでしょうか?
ちょうど今日の松谷君のブログで「学力別にクラス編成をすると全体のレベルが上がる」という記述があったので、こんなことを書いているのですが、選抜テストはいずれ必要になると考えています。
しかし実施の方法は難しいですね。
現時点での学力が今一でも、モチベーションが高い子はその後急激に伸びることもありますし、そういうことを測るのは非常に難しいはずです。
だから大学入試でも悩んでいるわけです。後期入試で学力に偏りのある子を取ろうとしたり、今はAO入試の拡大が推奨されたりしています。
このうち後期試験は衰退傾向にあります。
一つは思ったような特色ある生徒が取れなかったということですが、特に京大や東大においては、後期入試で入ってきた子は全体的に学力が低かったということです。
これはある意味納得できます。というのは、後期で京大や東大を受ける子は基本的に前期も同じ大学を受けていたからです。たとえば前期で阪大に受からなかった子が後期で京大を受けるなんてなことはないのです。
堅実志向の子は前期で京大を受けてダメだった場合、後期では阪大を受けることになるので、2番手校にとっては後期入試をする意味がありますが、トップ校においては、前期試験に落ちたもの同士の戦いになるので、そういう試験を手間をかけて実施する意味が少なかったのです。
AO入試はどうでしょうか。
これは今後のことなのでまだよく分かりません。
しかしこれと関連して、地方大学の医学部で「県民枠」というのがあり、少し疑問を感じます。
地方からすると優秀な人材がその地方から流出するのを少しでも防ぎたいわけで、その気持ちは分かります。しかしその故に、あまりにも大きい学力差が生じているのもまた事実で、その低い諸君が本当に国家試験に通っているのか追跡調査の結果を見てみたいと思うぐらいです。
もちろんAO入試では、個々の大学がその校風に合った生徒を選ぶわけで、これが機能するのであればいいことでしょうし、そうなれば高校生の勉強の仕方も変わっていくのかも知れません。
今年は稲荷塾からも東大や京大の推薦入試を考える生徒が出始めていますが、まだ主流ではありません。単に受験機会が増えるのであれば歓迎だといったところでしょうか。
ということで、大学入試ですら当事者は悩んでいるので(そのはず)、稲荷塾も悩まざるを得ないのです。
まあ幸い、まだ差し迫った状況ではないので、ゆっくり悩みたいと思います。