心理的プレッシャーと闘う

一昨日の藤井君が29連勝を達成した棋譜を見ました。

午後7時には圧倒的に不利になりながら、それから約2時間経って9時過ぎには逆に勝ちになっていたのが納得できないので、何が起こったのかをチェックしてみたいと思ったのです。

手がなさそうなところから手を作って行く藤井君はすごいなと思いましたが、それ以上に、相手の増田四段が負けるように負けるように指しているというか、まるで蟻地獄に落ちて行くかのように見えました。要するに、しっかり受けるでもなく、腹をくくって攻め合うでもなく、まるで心がそこにないかのように見えたのです。

確かに、対局開始時のすごい数の報道陣もそうですし、対局中にもカメラマンが入って来てパシャ、パシャとやられたら、平常心を保つのは大変です。

そんな話を松谷君にしていたら、対局前の増田四段のコメントが入れ込み過ぎているように感じたと、彼も言っていました。何でも、「こんなに連勝させたら、将棋界が甘いところだと世間に見られてしまう。だから自分が連勝を止めるんだ」といったようなことを増田四段が発言していたそうです。

う~ん、

難しいところですねぇ。

気合は必要ですが、それで心のバランスを崩してしまうと、持てる力を発揮することができなくなってしまいます。

こういう状況で藤井君と対戦する人は、そういう心理面でのプレッシャーとも闘わないといけなくなり、いろんな現象が起こり得ます。

何か、ますます面白くなってきましたねぇ!

ひょっとしたら、まだ連勝は続くかも知れません。