神崎君(将棋八段)

将棋の神崎君は私の弟弟子です。

当時は神崎ボウズとか、神崎くそボウズと呼んでいました。(失礼 …)

その神崎君が少し話題になっています。

藤井君が相手の後ろに立って盤を見たことがあり、それは失礼に当たるのでやめた方がいいとTwitter でつぶやいたのが炎上したそうです。

神崎君を批判した人の意見は、「そう思うんだったら、Twitter で言わずに直接言ったらいいだろう」とか「加藤一二三もやっていたからヒフミンアイという呼び名が付いているのであり、じゃあ加藤さんには注意しないのか?」といった内容だったそうです。

この後者についてですが、将棋界は上下関係が厳しい社会で、段が上だったり年上だったりしたら、おかしいことがあっても、それを指摘するのは難しいです。

ただ、後輩に対しては厳しく注意したりするのが当たり前で、私もいろんな先輩から叱られました。

特に師匠の灘先生からは、よく怒られました。

今でも思い出すのは、何か私のまずい将棋の指し手について指摘されたときのことです。何気なく「なるほど」と言ったら、こっぴどく怒られました。

「何だ、その物言いは!」ってな感じでしたねぇ。

そのとき、目上の人が言ったことに対して「なるほど」と返すのは失礼なんだと初めて知りました。

立って人の将棋を観戦していたときも「座って観なさい!」と一喝されました。

当然、神崎君もたくさん叱られて成長したはずですし、後輩のまずいところは指摘してやるのが思いやりだと思っているはずです。

それで「ヒフミンアイ」ですが、これは失礼です。将棋の伝統とは相容れません。

加藤さんは若くしてトップに上り詰めたこともあり、誰も注意しなかったのかも知れませんが、奨励されるものではないということです。

 

ところで、神崎君の写真を探してみて驚きました。

おっさんになっていたのです。

それはそうですよねぇ!

もう40年も会っていません。

一緒に和歌山に行って、2人で狭い風呂に入ったこと。徹夜で将棋を指したこと。何か昨日のことのように感じますが …。