難しい問題を解くための奥義

何かを示せ、とか何かを求めよ、と問われて、どうしたらいいのか、その方針が見えないとき、その何かがよく分かっていないときがあります。

そういうときは「どういうこと?」と問い返してみることが大切です。

つまり、まず結論を分析してみるのです。

目標がよく見えていない状況で、そこまでたどり着くのは大変です。経験と勘に頼って、こうかな、ああかな、と手探りするのは運に頼るようなもので、多くの場合、時間だけが過ぎて行ってしまいます。

まず、目標がよく見えていないという現実を把握することが第一歩で、方針が立つところまで目標を読み解かないといけません。

これを私は「迎えに来てもらう」と呼んでいます。

初めて遊びに行く友達の家への行き方をいくら教えてもらっても、ぴんと来ません。それよりは最寄りの駅まで迎えに来てもらって、そこからは一緒に行けばいいのです。

いわゆる「難しい問題」の場合、この目標がぼかされていることが多いのです。

それなのに、そこへのたどり着き方が分からない理由を「自分は勉強不足だから」などと思ってしまうのです。

確かに初歩の段階では、「これはこうする」といったような一対一対応の技術があり、それを学ぶことにより解ける問題が増えて行きます。

でもその方法がいつまでも使えるわけではないのです。

いずれ、次の方法が必要になるときが来ます。

そしてその方法の一つが「迎えに来てもらう」です。

稲荷塾の演習2では、この考え方が必要な問題をたくさんトレーニングします。

昨日やった東大の問題はまさにそういう問題でした。

正直言って、すごく簡単な問題です。「迎えに来てもらう」のが当たり前だと思っている私から見れば、5分程度で処理できる問題でした。

しかし、実際はクラスの誰も完答できなかったのです。

解答を見れば、みんな、な~んだ、というような顔をしていました。

でもそれが自分で気付けるようになるためには、「迎えに来てもらう」技術が自然に使えるようにトレーニングする必要があります。

まあ、しばらくかかるだろうと思います。

何が難しいかと言うと、「目標がよく見えていない」ということに気付くところです。だから、自分の持っている技術で何か使えるものがあるんじゃないかと思って右往左往して時間を無駄に使ってしまうのです。

しかし、一旦これが身に付けば、劇的に解ける問題の幅が広がります。

早くその日が来ればいいですねぇ!