教育熱心(後編)

教育熱心を2つに分けて考えて来ました。

親がその分野で成功して来たから子どもにも同様の道に進ませようとするタイプと、親がその分野で満足のいく結果を出せなかったので子どもに夢を託すタイプです。

 

しかし、場合によっては両方が同時に起こることもあります。成功したのにまだその結果には満足がいかず、さらなる夢を子どもに託すのです。

ちょうど昨日のアイキャッチに使ったジュディーマレーさんなんかはその典型と思われます。彼女はイギリスのナショナルコーチですから(でしたから?)、テニスの世界で成功した人です。

でも写真を見ただけでも伝わると思いますが、彼女がマレーを応援する姿はある意味狂気の世界です。今、マレーが世界ナンバーワンになって、というよりウィンブルドンのタイトルを取った辺りから、かなり柔らかくなりましたが、それ以前は正直言って見てられないぐらいでした。

まあしかし、マレーは立派な大人に成長してよかったですねぇ!

 

それで今日のテーマは、これまで「親が」と書いてきましたが、お父さんとお母さんでそれまでの経緯が大きく異なる場合もあります。

結婚後、両者の価値観の違いが表面化するのは当然のことですが、子どもができて、どのように育てて行くかを考える段階になるとこの違いが葛藤の原因になり、ときにはその克服が困難であるように感じることが出て来ます。

まず一番初めに確認しておかなければならないのは、この解決には時間がかかるということです。

自分が正しくて、相手がそれを理解しないと思っている限りは歩み寄ることができません。

自らが築き上げてきた価値観以外の価値観が存在することを認めるのは容易ではありませんが、それが要求されているのです。

そうでなければ、つまり、そのような価値観の違いに直面して、どちらかが相手を否定する立場に立ったとすれば、その影響が子どもに表れます。

それでは子どもが自分の人生を肯定的に捉えることができず、当然勉強をしようという気にもなりません。

親子の関係に先立ち夫婦の関係があります。そうして家庭の空気ができて、そこで使われる言葉が子どもの思考を作ります。

そのように考えると、中学受験がいいかどうかといったような方法論も重要ですが、もっと重要なことがあると気付きます。

勉強を頑張るのは子どもですが、それと同じぐらい、いやもっと頑張らないといけないのが親が成長のための努力をするということだと思います。