稲荷塾の実態

昨日、稲荷塾の反転授業はすごいシステムだという話を載せました。

似たようなことで、予習を課す学校もあります。

たとえば、ある中高一貫校で高校からも生徒を募集している場合、高校から入った生徒は中学から入っている生徒の進度に追いつかないといけないので、高1の1年間で数ⅠAと数ⅡBの両方をやってしまいます。

これは結構忙しいので予習を課すわけですが、教科書の傍用問題集、つまり解答が貧弱な問題集を用いて、「次回までに三角関数の全部を予習して来るように」なんてことをやるわけです。

形としては稲荷塾の反転授業と似ていますが、似ていても違うものは違います。

どこの高校の話をしているかは、分かる人は分かると思いますが、そのやり方は無理がありすぎます。苦しんでいる諸君には「稲荷の独習数学」を読むようにとお勧めしますし、一番いいのは稲荷塾に来ることです。

 

実は洛星もかつてはそのようにしていました。

しかし、高校から入った生徒の合格実績が中学から入った生徒に対してはっきりと分かるほどに低かったので、高校からの募集を停止しました。

灘もそのようにしています。そしてうまくやっています。

どのようにうまくやっているのかについては、不明です。

 

さて、稲荷塾の実態を書くと言っていましたので、その話です。

たとえば、数ⅠAのクラスはその特徴がよく表れています。

トップを争っているのは北野の高1の生徒2人と灘と東大寺の中2の生徒です。洛南と堀川の高1の生徒、洛北の中2の生徒も頑張っていて、それに次ぐ勢いです。

高校受験をして、高校生になってから数ⅠAを始めた生徒は基本的に頑張っています。たとえ苦戦していても。

それに対して、中高一貫校の中2の生徒は概して迫力に欠けます。半年で数ⅠAをものにする生徒は例外的だということです。

中高一貫校の中2の生徒が優秀でないというわけではありません。しかし、モチベーションの面で高校受験をした生徒とははっきりとした差があるということです。

 

結局、反転授業がしっかり機能して、半年で数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲのそれぞれをこなしていける生徒は優秀な高校生と超優秀な中学生ということになっています。

 

じゃあ、しっかり機能しなかったらどうするのか?

高校生の場合は、演習の時間を確保することがもっと重要なので、その後頑張るという前提で次に進むことを基本にします。

中学生の場合は、2回やればいいと思います。

十分な準備をして授業に出るということができず、苦戦し続けて半年を過ごしたなら、もう一度同じ分野をするのです。

そうすると、そのように過ごした半年が、次の半年の「予習」になるのです。

結果として、通常授業で1年かけて数ⅠAを学んだより、反転授業で半年ずつの2回をかけて数ⅠAを学んだ方がずっといい成績を取るようになりました。

ずっと、です。

 

ちょうど8月19日に入塾説明会があったので、そこで話したことを題材にここ数回、シリーズで稲荷塾のシステムについて書いてきました。

少し補充したり、少しカットした部分がありますが、大体以上で全部です。

あた明日からは違う話題を探そうと思います。