稲荷塾の反転授業

中高一貫校とそうでない高校を比較した議論をしました。

システムとしては中高一貫校が断然いいですが、中高一貫校の場合、それは中学受験をするということですから、一般的に中学合格後、勉強のレベルは落ちます。そしてそのまま上がらないということもしばしばです。

それに対して中高一貫校でない進学校の場合、勉強するためにその学校に入るという意味合いが強く、入学と同時に大学受験に向けて頑張るのです。

ということで、システムだけを見て判断することはできないということを書きました。

 

ところで、稲荷塾のシステムはすごくいいです。

今日はこれについて紹介しようと思います。

 

まず、通常の数学の授業では講師が板書し、生徒がそれをノートに写し、それから説明が始まるという形式をとります。

この、ノートをとるという作業中にどの程度頭を使っているでしょうか?

いろんな意味を確認しながら、深い思考を展開しながらノートをとっているでしょうか?

基本的にそんなことはしていません。

もし、いろんなことを考えながらノートをとっていたとすれば、作業が遅くなり、生徒が書き終わるのを待っていると次の説明が遅くなるので、講師は早く書くように促すことになります。

結局、板書をノートに写すという作業は純粋な作業になります。

 

この「作業」の時間が授業全体に対してどの程度の割合を占めているでしょうか?

驚いたことに、授業時間の半分ぐらいがこの作業に使われているのです。

これに気付いたところから、稲荷塾の反転授業が始まりました。

 

稲荷塾の反転授業では「稲荷の独習数学」を用います。

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これは私が授業で話していることを整理してまとめたものです。

つまり、これを読んでくるということは「予め授業を受けてくる」ということに相当するということです。

しかも、そこに書いてあるので、板書の時間も写す時間も不必要です。

では次に何をすればいいのでしょうか?

そこで分かったのであればもうそれでいいのではないかというと、そうではありません。

「分かる」ということと「できる」ということは違うのです。

この違いを知るために、次はテキストの問題を解きます。

通常は解けません。

テキストのレベルが高いからです。

そこで、もう一度「稲荷の独習数学」に戻って説明を読み直し、類題を探してその解説を確認します。

そうしてようやくテキストの問題が解けるのです。

これで「できる」に一歩近付きました。

 

ここまでの準備をして授業に出ます。

授業ではまず40分から50分をかけてその日のテーマを整理し直します。

次に10分から15分の小テストをして、定着をチェックします。

その後小テストの直しをして、最後に「補充プリント」で演習をします。

予習が甘いと小テストの直しで授業時間が終わってしまいます。理想的には授業時間内に「補充プリント」が終わればいいと考えていますが、そこまで行ける塾生は稀です。

もし、毎回「補充プリント」の最後までをきっちりこなしていたら、すごいことが起こります …

 

とまあ、システムとしては最高です。

あとはそれを実行するためのモチベーションですねぇ …

 

次回は、必ずしもシステムを完璧にこなせていない塾生たちの実態編を書こうと思います。

to be continued