生徒募集①
稲荷塾のカリキュラムは非常に柔軟で、いろんな状況に対応することができます。
そのうち、今日は高校受験をしてこれから高校数学を学ぶ新高1生について書こうと思います。
まず一般的な話をすると、高校生になってから高校数学を学び始めるのはかなり不利です。
何故かと言えば、中高一貫校では中3から高校数学に入っているからです。
この1年の差はかなり大きく、そのまま数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲに1年ずつかけて行くと、演習のための時間がなくなってしまいます。
中高一貫校でない高校の先生はそのことをよく知っています。
じゃあ、その状況からスタートして実績を出そうとすれば、どうすればいいでしょうか?
普通の発想では、授業時間数を多くする、補習をする、宿題をたくさん出す、… ということになるのです。そうして、本来1年かけて学ぶようにとプログラムされた数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲそれぞれを少しずつ短縮した形で実行し、演習の時間を作り出そうとするのです。
では稲荷塾ではどのように考えているのでしょうか?
数ⅠAから数Ⅲを早く仕上げて演習の時間を確保しないといけないと考えているところは同じです。
しかし、そのための手段が違います。
足りない量を量で補うのではなく、質と効率でカバーしようとしているのです。
それが反転授業です。
具体的な話をする前に反転授業について説明しておきます。
通常、新しい単元を教室で学び、家庭でそれを復習し演習を加えて定着をはかります。この教室での学習と家庭学習の役割を反転するのが反転授業です。つまり映像授業などを用いて、家庭で新しい単元を学び、教室ではポイント講義をして整理し直し、演習をします。
これのどこがいいのでしょうか?
単に役割が入れ替わっただけのように見えます。
実は私も初めはピンと来ませんでした。
アメリカの辺鄙なところに住んでいて、登校自体が大変な生徒たちが、この方法で学びを進め効果を上げているということは知っていました。
でもそれは特殊事例だろうと思っていましたし、秋田のトップ校の先生が稲荷塾に見学に来られ、雑談しているときに彼から熱くその効用を説明されたときも、そうかも知れませんね … などと言いながら、とても積極的にはなれなかったのです。
ところが一昨年、突然見方が変わりました。
夏過ぎに入塾してきた子に補習しながら、その子が入るべきクラスの進度に何とか次の春までに追いつくことができないだろうかと考えていたときのことです。
ちょうど「稲荷の独習数学」が出て間もない頃だったので、これを使ってみようとひらめいたのです。
この本は私が授業で話していることを整理し、まとめる形で作られた本なので、私が一から説明する代わりに、「これを読んでおいで」とやったのです。そして次に来たときには「分からなかったところはなかったか?」というところからスタートして演習をするようにしました。
するとどうなったでしょうか?
補習はどんどん進み、遂には春からスタートしていた子たちの進度を追い越してしまったのです。
それで気付きました。
ホワイトボードに板書する、みんながそれをノートに写す、そして説明を開始するという授業スタイルはすごく効率が悪かったのです。「ホワイトボードに板書する、みんながそれをノートに写す」の部分に想像以上の時間が取られていたというわけです。
こういう経緯で昨年春から反転クラスを作りました。
この1年は土曜日に実験的にスタートした反転クラスでしたが、間違いなく2倍の進度を実現することができ、しかも定着もよくなるということが確認でき、新年度からは数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲの全クラス反転形式で運営することを決めました。
それでは話を初めに戻して、高校受験をして高校生になってから高校数学を学ぶことになる新高1が稲荷塾の反転授業に参加するとどうなるかを説明します。
まず8月いっぱいで数ⅠAが終わります。
次に高1の9月から翌年の2月までで数ⅡBが終わります。
数Ⅲも半年で終了します。すると高2の8月いっぱいで高校課程を終えることができるのです。
あとの1年半は演習に充てます。
これで中高一貫校に対する不利感は完全になくなります。
それから、この進度は間違いなくどこの高校より速いので、学校の勉強が復習になります。
つまり学校の勉強が非常に楽になり、定期テストの前の勉強も不要になるということです。
必要なのは日々30分の予習です。
日々30分の予習をすると覚悟を決めた諸君は是非稲荷塾に来てください。