東大・京大合格までの道のり part2
高校課程を一通り学び終えてから、東大・京大の問題で合格点が取れるようになるまでにかかる演習期間が、無理をしないで取り組む場合、約2年であることを確認しました。
多くの中高一貫校および北野はこれを1年でやろうとしています。堀川では半年ですることになります。これはかなりの強行軍です。
無理をすると、もちろん、数学において望むレベルに到達できない可能性があります。
しかしそれ以上に、理科にかける時間が短くなるのが問題です。
二次試験の合格最低点は東大も京大も5割程度で、数学に関しては現役も浪人もそんなに差はありません。ところが理科は大きな差があるのです。
現役で合格する生徒の理科の得点は5割ちょっとであることが多い一方、浪人して合格する生徒の理科の得点は6割以上であることが多く、7割を越える場合も少なくありません。
数学と理科では教科の特性が違い、理科はかけた時間に比例して得点できるようになっているのです。
その理科の演習に取り組む時間が短くなるような受験勉強はすごく不利です。
ということで、数学の高校課程を早く終わらせることが重要になってきます。
そのために生まれたのが稲荷塾の反転授業です。
これだと2倍以上の進度で学ぶことができます。一般の数学授業の無駄、すなわち「講師が板書し、それを生徒がノートにとる」という作業の時間が長いという無駄を回避することができるからです。
「講師が板書し、それを生徒がノートにとる」という作業の後に行われる説明こそが情報の伝達行為なのに、その前の作業の時間が授業時間の約半分を占めているのが一般の数学の授業で、これを省略することができれば2倍進むことが可能になります。
幸い稲荷塾には、それまで私が授業で説明してきたことを整理することによって作られた「稲荷の独習数学」があります。これを読めば、授業を受けたのと同じ効果を期待することができます。板書もノートに取る作業も必要ありません。つまり、一般授業の無駄を除くことができました。
しかも、一読して分かりにくければ読み返すこともできるし、過去に習ったことを確認したければページを繰るだけでよいのです。ずっと効率的になったのです。
これを家庭学習で行います。
ただ、「分かる」ことと「できる」ことは違います。ですから、参考書を読んで分かったと思ったら、テキストの問題を解きます。すると、理解が浅かったところや覚えるべきことが覚え切れていなかったというような箇所が露わになり、それを再び参考書に戻って潰しに行きます。
すると、教室では一体何をするのでしょうか?
まず、小テストで理解の不十分なところをブスブスと刺します。ここで間違ったところを直すところからは完全に個別対応になります。一斉授業でありながら個別指導をしているような授業になるので、新しく習った知識や技術について確認するだけではなく、解答の書き方についても細かく指摘することができます。
これが終わると、テキストの重要事項を定着させ、テキストで扱わなかったタイプの問題にも対応できるようになるための演習を行います。
演習問題はAとBに分かれており、Aが授業の到達目標です。BはAができてしまった生徒のための発展問題です。
教室で新しいことを学び、家庭学習でそれを定着させようとする一般の方法の教室での授業と家庭学習の役割を反転させるので反転授業と呼んでいます。
この反転授業で2倍の進度を実現することができるようになれば、高校課程は1年半で学び終えることができます。
すると演習期間は1年半ですが、さらに少し工夫すると演習期間を2年にすることができます。
to be continued