京大・東大受験、高2ですべきこと
入試問題を解くためのパーツになるような基礎技術というものが存在しています。
それを稲荷塾では演習1というクラスで学び、高3になるまでに完成させることを推奨しています。
結構、膨大な量ですが、内容としては定理等の知識であったり、証明法や考え方であることもありますし、問題の読み方だったりすることもあります。
英語の単語帳みたいな感じで整理しようとしたこともありますが、同時に、やり方に走ってほしくないという気持ちもあり、少し複雑です。
理想としては、必要だと感じる諸君は自分でそういったものを作ってみてほしいです。
「必要だと感じる諸君は」と書きましたが、演習する中で勝手に身につく生徒もいるし、何らかの手段を講じないと、ぼろぼろとこぼして行く生徒もいるからです。
もう10月も後半になりましたので、高2の諸君は相当に真剣になって取り組んでほしいところです。
高3になって基礎知識が不足しているようでは、到底、京大・東大には届きません。
昨日、n次元のコーシーシュワルツの不等式を証明しようとして、あれこれ手は動かすけれども、有効な一歩は踏み出すことができずにいる高2生の補習をしました。
だから、2次元と3次元のコーシーシュワルツの不等式を証明するように指示してみました。そうすれば、その自然な拡張としてn次元の話があることに気付くと思ったのです。
ところが、その2次元と3次元の処理に時間がかかるのです。
そんなことは当たり前のこととして一瞬で終わらせてほしいのです。
こういうパーツとなるところが確立されていないと、それを使って考えるという問題が解けません。ましてや、そういうパーツを2つ3つ組み合わせて使うような問題は発想すらできないのです。
この問題が終わった後に、4文字ずつのチェビシェフの不等式の証明がありました。
もちろん、2文字ずつと3文字ずつのチェビシェフの不等式が頭に入っているという前提での出題です。
コーシーシュワルツの不等式が怪しいのにチェビシェフの不等式ができるわけがないと思って見ていると、やはりできませんでした。
それで、2文字ずつ、3文字ずつのところをやって、その拡張を考えてもらう中で、少し原理が飲み込めたように見えました。
高2のこの時期にこういうレベルだと、もう受験勉強さながらに必死にならないと間に合いません。
理系の場合、数学の遅れは理科の遅れにつながり、ある一線を越えると修復不能になります。
特に高2の諸君は自分の状況を把握しつつ、適切な準備をしてほしいです。