ニッチな市場に生きる

最近、興心がクワガタの累代飼育を始めました。

しかし、そういうことをしている人ってすごく珍しいですよね。

少なくとも私の周りでは見つけることができません。

にもかかわらず、その趣味のための専門店というものが存在します。

そういう店ではどういう商品を扱っているかというと、まず、成虫や幼虫。マニアは身近なところでは採集できないクワガタを飼育するケースが多く、そうすると、その目当てのクワガタの成虫か幼虫を購入するところから始めることになるのです。

幼虫からスタートするのであれば、それを育てるための菌糸ビンが必要になります。

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これはエサとなるオオヒラタケの菌糸がクヌギのオガクズの中に張り巡らされたものです。もちろん、自然環境では木の中か土の中で育つものですが、この菌糸ビンの中で育てた方が圧倒的に育ちが良くなります。

さらに、場合によっては、冬場の室温を一定以上に保つための措置も必要になるかも知れません。

そして蛹化(蛹になること)、羽化を経て成虫が出てくると、今度は成虫を飼育するためのセットが要ります。

ここで終わらずに、卵を産ませて累代飼育を成功させるためには、産卵木などの準備も必要になります。

と、書いて来ると、これらを全部自分で準備するのが難しいことが伝わると思います。

結局、その専門店からその多くを買うことになるのですが、このような滅多にいないような人たちを対象とした商売って成り立つのでしょうか?

これが不思議ですが、そういう専門店は確かに存在しています。つまり、その商売は成り立っているのです。

ちょっと驚きです。

 

こんなことを考えていたら、稲荷塾も同じぐらいニッチな市場に生きていることに気付きました。

何しろ、京大・東大・国公立大学医学部を志望する生徒のみを対象にしているのです。

仮にそれが得意分野だったとしても、それでは対象が狭すぎるので、いろんなクラスを作ってさまざまな層の生徒を集めようとするのが通常です。

たとえば、阪大や神戸を目指す生徒まで集めるとすれば、一気に対象範囲が拡大されることになり、そうするべきかと思ったことはありますが、そうはしてきませんでした。

何らかの戦略があったからか?

そうではありません。

気が向かなかっただけです。

でも、結果的にこれで良かったような気がしています。

クワガタ専門店みたいですし。