合格体験記3

昨日、ケンシロウが遊びに来ました。

古い読者以外は彼をご存じないと思うので、少し説明しておきます。

ケンシロウが問い合わせて来たのは中1の夏ごろでした。彼は灘の数学研究会に所属していて、そこでは中1の間に数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲの高校課程を修了することが推奨されており、中学数学については自力で終わらせたけれども、あと半年ぐらいで高校数学を学び切ることはできるだろうか、というのが問い合わせの内容でした。

当時、反転授業の効果的な運用法を模索していたときで、それが上手く機能すれば半年で高校課程を学ぶことが可能だと思った私は「できるよ」と答えました。

実際は数列のところで少しもたついて、それを整理するための演習時間をとったこともあり、7カ月かかりましたが、約半年で高校課程を学べることが分かったことは収穫でした。

中2からは演習に入り、中2が終わるころには京大の工学部に受かるぐらいのレベルになり、中3が終わるころには京大の工学部ならトップ合格するだろうという実力になりました。

この過程が私にとってもすごく刺激的だったので、当時のブログには何度も彼のことを書いています。

そして高1になるときに「受験数学には興味がなくなりました」と言い出し、「大学に受かったらチューターとして戻ってきます」などと言い残して卒塾することになったのです。

しかし、受けたのは東大の理Ⅰでした。

それじゃあ、チューターはできないですよね。

では、体験記をどうぞ。

 

東大 理Ⅰ 安部健士朗 灘

私は中1~中3頃に稲荷塾で数学を学びました。そして、学校では授業は受けて、終始テスト勉強には真面目に取り組まず、成績は中の下~中の中ぐらいでした。
さて、受験勉強をすることなく高3になります。物理は得意、国語は普通、地学は苦手(ほぼ未修)、英語は苦手でした。得意だったはずの数学は、放置していたことで錆び付いていました。冠模試は理一A判、理三D判ぐらいでした。
しかし、数学理科は簡単に伸ばせるし、数理だけでどうにかなると思っていた私は、4月~11月は地学の参考書と資料集を眺める生活を送りました。英語は語彙が足りないと焦って、4冊の単語帳をやっては挫折する日々を過ごしました。この時期の勉強量はあまりにも少ないです。友達と自習室に行ってはダラダラしていました。2学期終わるまでに回した過去問は数理4年分ずつです。
2学期が終わると、倫政の黄色本を買って共通テスト対策を始めました。古文単語帳も回しました。DUO3.0(英単語帳)のシャドーイングも年明けから共通テストまでは毎日1周回しました。
共通テストが終わった次の日から二次の過去問を始めました。二次までに数理を18年分回しました。だいたい数学と物理は満点、地学は50/60程が安定しました。2月初めからは専ら地学の教科書を読んでいました。
しかし、当日は数学が3完2半/6問、物理が40/60、地学が50/60とあまり振るわなかったです。とはいえ、数学が3完2半なのは1日目の夜の解答速報で確認していましたし、物理の得点調整も見込めるので理科が終わった時点で合格は確信しました。
高3でこれだけサボっても合格出来たのは、やはり中3までに稲荷塾で受験数学をある程度マスターしていたからだと思います。それから、私は前日の夜に共通テストの受験票を忘れたことに気付きました。忘れないように気をつけましょう。