個別指導について

この頃、個別指導の塾を多く見かけます。

確かに、一斉授業では平均的なところに合わせて話すので、上位の生徒たちにとっては不要な説明をすることが多くなり、下位の生徒にとっては逆にもう少し丁寧な説明が必要になるのです。

そういうことを考えると、個別指導の方が効率のよい指導ができるというわけです。

ところが、そうすると塾の営業的観点から見てコストパフォーマンスが悪いので、どうしても学生アルバイトなんかを使うことになり、講師の質を落としてしまうのです。

その点、稲荷塾は理想的授業形態を実現しています。

稲荷塾では伝えるべきことは全部本に書いてあるので、それを予習し、それに即したテキストの問題を解いて、基本事項を確認してから教室に集まります。

授業では小テストと演習問題A、演習問題Bをします。演習問題Aまでが授業の到達目標で、それを早くクリアしてしまった生徒のために演習問題Bが準備されています。

それで、どこが理想的かと言えば、小テストは一斉に実施しますが、その直しと演習については個別対応で進めます。

 

ちなみに、この授業形態の弱点は、生徒の予習が甘いと授業効果が上がらないことです。

ですからまず、一生懸命予習して来るのが当たり前であるというクラスの雰囲気を作ることが重要です。

次に、予習に苦戦してる生徒のために土曜日の14時から21時に塾を開放し、詰まればすぐにチューターに質問できる環境を整えました。土曜日は授業を休んだときの振り替えにも使いますが、予習を助けてもらうために来ている生徒もいます。そうしているうちに徐々に自分で予習がこなせるようになっていきます。

それから、稲荷の独習数学、これはまもなく「最短でマスターする数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C」と名前を変えて改訂されますが、これは私が授業で板書したことと説明したことを整理しまとめた本です。

非常に読みやすいですし、本で学習できるようになると、板書して説明するという一般の授業に対して圧倒的に効率が上がります。不明な点が出て来たら、前のページに戻って説明を読み直したりという作業が自在にできるからです。

ただ、チャートやフォーカスゴールドで予習させている学校もありますが、これらは辞書なので、自分で学ぶには適していません。

もちろん、映像授業よりもずっと効率がよいのは言うまでもありません。

ということで、この弱点もかなり克服できたと感じています。