中学生の時期は転換期

高校受験ではその後の進路を考えて受験校を選ぶ傾向が強くなります。

たとえば、京大に行きたいから北野を受ける、受かったらますます頑張るという図式です。

それに対して、中学受験において大学入試のことまで考えるとすれば、それは親だけであって、子どもはどの学校が楽しいだろうか、どこが自分に合っているだろうか、ということしか考えていません。

ですから、中学受験が終わると、中高一貫校の中学生は基本的に勉強へのモチベーションが下がります。

それまでは受かるかどうか、勝つか負けるかということに刺激を感じていたのに、そういう刺激がなくなるのです。

そこからは6年後の大学入試に向けて長期計画の下、自己管理してやるべきことを実行しなければならないのに、結構それが難しいのです。

洛星を例にとって見てみましょう。

私は洛星の生徒を4つに分類して見ています。

1つは50位以内。これは、頭がすごくいいか、やるべきことをしっかりこなしているグループで、基本的に現役で志望校に受かります。

2つ目は50位から100位。志望校を落とすか、浪人するグループです。

3つ目、100位から150位。定期テストの勉強しかしていないグループで、かなり辛い状況です。

4つ目、150位以下。勉強へのモチベーションはゼロ。洛星に受かったというプライドにも傷がついており、ここからの浮上は極めて難しいグループです。おそらく学校側も扱いに苦慮しているはずです。

中学合格後も、競争による刺激を原動力として使い続ける塾(鉄?)もありますが、多くの生徒はそれに疲れを感じることでしょうし、何と言っても楽しくありません。

もう少し本質的なところ、すなわち、新しい世界を知る楽しさを原動力にできるように価値観を転換していく必要があると思います。

年代的にも、それまでは親が何かを提案し、子どもがその中から選ぶという段階から子ども自体がやりたいことを探し、自分のモチベーションによって動き始めるという転換点が中学生の時期になります。

稲荷塾の反転授業で、受け身な勉強ではなく、自ら学んでいく楽しさを知ってほしいと願っています。