勝つための方法を実行せよ

演習1では阪大ぐらいまでの問題がすらすらと解けるようになることを目標にしています。

テキストは毎回4問で構成されていますが、まずは半分以上解けるようになるのが第一段階で、3月から演習を始めて10月ぐらいにこのレベルに到達するのが平均的なところです。

そのためには、まず、勉強法を確立することが大事です。

解答を目で追って納得したらそれで終わり、というようなやり方をしていてはまるでダメです。

解答を見て納得したなら解答を閉じ、必ず、鉛筆を持って、最初から最後まで再現できるかどうかを試してみなければなりません。

これの効果は絶大です。

まず、目で追っていたときには気付かない疑問点が出てきます。当然と思われた式変形に苦戦することもあります。

生徒諸君からすると、こんなアドバイスは、もううんざりするぐらい聞き続けてきたことと思います。

で、みんなの取り組みは変わったでしょうか?

おっ、基礎的な問題はできるようになってきたな、と思う諸君が出始めています。

しかし、どう見ても実行できていない生徒もかなりいます。

 

今、木曜日のチューターをしてくれている西澤君は中学生の間に数Ⅲまでやってしまったので、高1と高2のときに2回演習1をしました。2回目するときは、すなわち彼が高2のときはほとんどの問題をすらすらと解きました。

たとえば、今回確率のポイント講義後の1回目の演習だったので、ポイント講義の内容を確認するような基本問題を1問10分で8問演習しましたが、こういうレベルの問題なら大体1、2分で完璧に解きました。

結局、入試で要求される技術を完成した状態で高3の受験勉強を始めたので、数学に余裕があり、したがって理科に時間を使うことができ、英語も強いということで、受験は圧勝でした。京大の工学部物理工に受かりましたが、受ける前から落ちる要素は全くないと感じていました。

そうすると、同じ高2の段階における学力を比較すると、今、演習1に在籍している諸君と西澤君はかなりの差があります。

でも、学力差ほどに能力差はありません。頭の良さはそんなに変わらないと思います。

では、何が違うのか?

1つは西澤君が中3の段階で数Ⅲまで終わらせて2回演習1をすることができたということがあります。

しかし、それ以上に勉強の仕方が重要です。1度やったことを次には自力でできるようにして終わらせるという意識です。これを1年ぐらいの期間にわたってやり続けると、大差になるのです。

 

最後に西澤君の体験記から演習1に関する部分を引用しておきます。

「高校生になると演習1に進みました。ここではそれまで曖昧でよく分かっていないままでいたことが少しずつ分かるようになり、基礎の理解が深まりました。2年目の演習1では、あーそういう事だったのか、ということが何度も起こり、さらにもう一段階理解が深まり、稲荷塾での常識がようやく身について来たような感じがしました。」