公倍数は最小公倍数の倍数なんやで。なんでですか?

松谷です。

小学生とか低学年の生徒に教えていると、当たり前とされていることを説明するときに、躊躇することがあります。

つまり、それって本当に当たり前なのか?

と一瞬自問するからです。

そんな当たり前とされていることで、この前、少し躊躇したことは、

「公倍数は最小公倍数の倍数である。」

という内容です。

4と6の公倍数を小さい方から5つかけというような問題で、

4の倍数は4,8,12,16,20,24,28,32,36,

6の倍数は6,12,18,24,30,36

そうすると、公倍数は小さい方から、12,24,36となっていていくわけです。

で、まあ容易に、12,24,36,48,60と続いていくことが予想されて、

12が最小公倍数っていうんやけれど、実は、公倍数は、最小公倍数の倍数になってるんやで!

という説明を繰り広げることになります。

で、それってなんで?と聞かれた場合には、説明どうしようと思うわけですね。

 

例えば、

いったん、最小公倍数12が現れたら、そこから、4の倍数は4の幅で増えていって、6の倍数は6の幅で増えていくから、12の幅ずつでまた4の倍数と6の倍数が一致するところが現れるやろ?てことは全部12の倍数になるやん。

 

みたいな説明になっているのかなっていないのかわからないような説明をすることになります。

周期性に着目するとか、群数列的な考え方を習得することにおいては、もちろん上のような説明も意味が十分あるのですが、ちゃんと真摯に説明していないような気がするわけです。

でも、なんか真摯に説明しようとすると、

AとBの最小公倍数をL、公倍数をXとする。

割り算を考えて、

X=kL+r  (0≦r<L   k,rは整数)とかける。

rが0でないとすると、

r=X-kLとなるが、右辺は、AとBの公倍数から、AとBの最小公倍数×kを引くので、AとBの公倍数である。よって、rがAとBの公倍数となるが、これは、Lが最小公倍数であることに矛盾する。よって、r=0である。

つまり、XはLの倍数である。すなわち、公倍数は最小公倍数の倍数であることが示された。

なんて、背理法とか除法とか最小性とかそのあたりの整数問題っぽい話が飛び出てくるので、小学生にはなかなかうっとうしいわけですね。

ということで、まあぐぬぬと、口をつぐんで、

「公倍数って最小公倍数の倍数になってそうやん!!こら数えるの楽だじゃない?!やった!!」

みたいな小学生が小学生を教えるみたいな教え方をすることになってしまったりするわけですね。。

まあ、本当に気になってそうな子にはちゃんと話しますけれどね。。